Leica M3

 あこがれのライカM3を手に入れました。毎年新宿伊勢丹で行われる「中古カメラ掘り出し市」で購入しました(1998年)。外観の傷が多く、比較的安い値段で、ファインダーとシャッターは調子良さそうでしたので、これに決めました。バックカバーは皮が浮いていたりはがれていたり、塗装もぼろぼろだったので、自分で簡単に修理しました。ライカはボディナンバーが管理されていて、これにより製造年などもわかるのですが、私のM3は1962年製のようです。また、この番号は本来はブラックペイントのはずですが、たまたまクロームだったのか、昔のオーナーがクロームに変更したのでしょう。クロームをブラックにする人は多いようですが、逆は珍しいようです。

 私がライカM3を選んだ理由は一眼レフでの撮影に疲れてきて(重さ、気分的に)もっと気楽に写真を撮りたいと思うときがあり、ロシア製のFEDを購入したのですが、シャッターの調子がいまいちで、信頼性が無く、でもLマウントレンズの写りの味と、レンジファインダーのコンパクトさは一度経験してしまうと離れられず、レンズの豊富さからライカを選びました。ライカでもバルナックタイプもありますが、デザイン的には好きで、よりコンパクトなのですが、ファインダーが一眼式でないのと、Mマウントレンズが使えないのが引っかかり、どうせならMタイプにしようと思いました。Mでも最新のM6まで機種はたくさんあるのですが、M3のファインダー対物窓の枠のあるデザインが気に入ったのと、クロームが入手しやすいのと、何といっても35mmに眼鏡付きを使える(他でももちろん使えますが)点が気に入り、また、個人的に50mm以上のレンズも好きなので、ファインダー倍率の高さも気に入ってM3にしました。M3は製造台数が多い割に人気があって高価なのが残念ですが。M2はフィルムカウンターが自動リセットでない(FEDで何回もあわせ忘れて困りましたから)点、M4は高価な点、M5も高価なのと、ロシア製レンズジュピター12がつかない点で落選。M4-2、M4-Pはお買い得な気もしますが、クロームが少ない点で落選。M6は意外と中古価格が低く、TTL露出計があるのは魅力的ですが、ロシア製のレンズジュピター12では測光できないのと、セルフタイマーが無いのが残念です。もっとも一番気に入らないのはボディ上部にライカの筆記体ロゴなどが無い点だったりしますが・・・。

 

 

 これまで使っていたロシア製のFED-3に比較するとファインダーの見易さと、シャッターの静かさがもっとも大きな違いだと思います。ファインダーは等倍に近く、両目を開けてもほぼ違和感無く見れます。明るさもFED-3とはだいぶ違います。ブライトフレームの見え方は最高です。ただ、私の目ですと、どうしても眼鏡をかけてもぼけるので、示度補正レンズも購入しました。シャッターも実に静かでショックも少なく、これなら1/8などはまったく問題なく手持ちで撮影できます。フィルム装填は底が取れるのが歩きながらの場合に邪魔になりますが、FED-3のように裏が取れるよりは小さいので良いかもしれません。

 

 とりあえず、1本目のレンズは35mm眼鏡付きにあこがれていたので、ズマロン35mmF2.8にしました。こちらも眼鏡にカビが生えていたので比較的安く購入しました。眼鏡は写りに関係ないですし、実際に覗くとほとんど気になりません。レンズは奇麗でした。眼鏡をつけるとファインダーはちょっと暗くなる気がしますが、外付けファインダーを覗き直すよりはずっと便利です。

 眼鏡付きの35mmにはズマロン35mmF3.5・ズマロン35mmF2.8・ズミクロン35mmF2・ズミルックス35mmF1.4があります。もちろん明るいレンズはボケの幅も広いですし、重たくなる以外は良い面ばかりですが、値段も高く、手ごろなズマロンしか手が出ませんでした。ズマロン35mmにはF3.5とF2.8がありますが、単体露出計を使うときにF2.8の方が使いやすいので無理してこちらにしました。F3.5のデザイン(正面の文字の部分がシルバー、ピントリングの指かけが古めかしい)の方がクラシックで好きなのですが。

 繊細で柔らかい描写は、自然などを写すのに向いていそうです。ちょっと糸巻き状の湾曲がありますが、気にならないようなフレーミングを考えれば良いことです。ジュピター12よりは湾曲は少ないです。

 ケンコーのスカイライトフィルターをおまけしてもらい、国産のフードを買いましたが、フィルターをつけるとせっかくのレンズキャップがうまくつかなくなることと、フードをつけるとファインダー視野がけられるので、必要なときだけ付けようかと思っています。ライカ純正フィルター・フードはびっくりするくらい高価なのでまったく手が出ません。

 Lマウントアダプターも購入しましたので、FED-3で使用していたレンズはすべて使えます。

 単体露出計を持ち歩いて使っていましたが、単体露出計とM3が同じくらいの大きさで、せっかくM3がコンパクトなのに露出計で荷物が増えるので、M3用にライカメータMCを購入しました。セレンを使用したタイプです。暗い時や逆光では厳しいですが、コンパクトなのでないよりはマシです。Cds使用のライカメータMRも良いのですが、値段と水銀電池が面倒なので、とりあえずMCを選びました。M3に付けると仰々しい感じになりますが、はずして単体露出計として使ってもコンパクトで良いです。

 携帯に便利な沈胴式のエルマーM50mmF2.8を購入しました。新品ですが、限定特価販売で中古品より安いくらいの値段で購入できました。コンパクトですが、245gもあり、重たいです。下の写真はフードをつけない状態です。沈胴状態ではズマロン35mmF2.8よりもコンパクトになります。今のレベルで考えると50mmとしては暗いし近寄れないのですが、写りを見るとやっぱり良い感じです。

 望遠レンズとしてエルマリートM90mmF2.8を購入しました。こちらもシルバーで、ボディが金属製なので560gもあります。ライカの望遠レンズは今のレベルで考えると決してコンパクトでは無いと思いますが、胴体の太さは細いので取り扱いは楽です。フードは内臓式で、引き出して使います。90mmはM3にぴったりの焦点距離だと思います。ファインダーのフレームも見やすい大きさになります。このレンズも実に立体感のある良い描写だと思います。なぜか3本のライカレンズすべてF2.8で揃ってしまいました・・・。

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 M3の軍艦部を外してみました。ファインダーの埃が少し気になっていたので。分解には円形ハンドスパナが5種類必要です。7.5,10,12,16,17mmφが必要です。中にはゴムの固まりを使って回してしまうすごい方もいらっしゃるようですが、結構硬いです。シャッターダイアル・アクセサリーシュー・巻き戻しノブなどを外し、マウント上部のシールを剥がし(これが悲しかったのですが)、そのネジを外せば開けることができます。
 開けてみると・・・すばらしい作りです。距離計のプリズムなどは本当に奇麗。組み立てるのも大変だったことでしょう。FEDとはまったく違います。ファインダーの埃も取れましたし、軍艦部もせっかくなので超音波洗浄機で洗ったりして奇麗にしました。まあ傷が多いのはしょうがないですが。
 せっかく調子は良いので、下手にいじらずにそのまま上の記念写真だけ撮って元に戻しました。

紙のM3

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 「ライカ通信」の2号にペーパークラフトのM3が付いていました。というか、これを作ってみたくなったのでこの本を買ったのですが・・・。これはかなり難易度が高く、下手なカメラの分解修理より難しいものでした。苦労の末、作り上げたのが上の状態ですが、紙はゆがみやすく、また切るのも難しいので、実に大変でした。しかも本に出ている作り方の説明が実に端折っていて、大変です。実際にこの本を買った方で作った人はいったい何人くらいいるのかな???

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 レンズキャップをはめて、レンズを沈胴させた状態です。レンズは初代ズミクロン。レンズのガラスとファインダーの窓はプラバンで作りました。

 また、全体的にボンドのついた指で触った汚れがあったので、プラモデル用に持っていた、サテンコート・マットコート・グラスコート(全て透明)を使い分け、全体的に表面をコーティングしてごまかしています。

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 レンズを外したところです。Mマウントは平面ですが、一応着脱が可能で、シャッター幕なども描かれています。

 巻き上げレバー・シャッターレリーズボタン・シャッター速度ダイアル・巻き戻しノブ・巻き戻しレバー・セルフタイマー・視野切り替えレバーが可動です。レンズは沈胴可能です。

 2回巻き上げの時代のM3なので、巻き上げレバーの動作角度も狭くなっています。

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 本物と並べたところです。等倍なので本当に同じ大きさです。レンズは初代ズミクロンは持っていないので、DRズミクロンを本物には装着しました。さすがに並べるといかにも紙っぽいですが、なかなか良く出来ています。たった一箇所残念なのは距離計窓部分の出っ張りが本当に出っ張っていない点です。

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 裏もなかなか似ています。ファインダー接眼レンズもプラバンにしたので、実際に覗くと、本物のM3以上の等倍ファインダーになります(あたりまえですが)。シンクロソケットなどは懲りすぎで、作るのに苦労する割にはあまり目立たないのが残念。
 

2001年春の中古カメラ市に出かけたのですが、結局いつもどおり、高くて程度のいいものばかりでジャンクなどばかり狙う私としては手が出ず、かといって何も買わないのも悔しいので、レモン社に行って、ファインダーケース3個セットをGETしてしまいました。

欲しかったのはDRズミクロン用の眼鏡ケースだけなのですが、お金があるときには見かけず、なかなか買えないでいたのでした。それほど程度は良くなかったのですが、50mm・90mmファインダーケースもおまけでついていましたし(ファインダーを持っていませんが)、皮の手入れはRTSUのケースなどでいろいろ調べたのでとりあえず買いました。

この写真はすでに手入れを終えた状態です。

手入れに使ったものです。着色ビンは皮のクリーナー、大きなビンが塗料で、今回はコートするタイプというより、浸透して着色するタイプで、油性です。皮の下地を生かした仕上がりになります。が、濃い色を薄くはできません。

また、着色後はミンクオイルや一般の手入れをして、皮の保護も必要です。

ようやくDRズミクロンが気軽に使えます。外に出かけるときに、眼鏡の携帯方法が難しく、本体につけておけばいいのですが、そうすると一般的な撮影の度に外さないと駄目で、落としそうで怖いですし、鞄に入れておくにも、他のレンズなどとぶつかったりして壊れそうなのです。

適当なほかのケースも探したのですが、なかなかピッタリのものは無く、結局本物をGETとなりました。高いですが、作りは実に丁寧で良いです。

ちなみに、3個セットで先日GETしたRTSUボディと同じ値段・・・。RTSUボディが安すぎるという話もありますが。

眼鏡を入れたところです。中の仕上げも綺麗です。ただ、金具が眼鏡をしまうときにレンズにぶつかりそうで、もう少し気を使って設計して欲しかった気が・・・。

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