BOLSEY Model B2

 ボルシーのモデルB2です。ボルシーといえば初代アルパを設計したボルスキーがアメリカにわたって作った普及タイプのカメラで、同じようなスタイルで2眼レフのモデルCなどが有名です。35mmフルサイズで、非常にコンパクトでありながら、しっかり距離計連動で、全群移動のフォーカシングと高級なシステムが組み込まれています。

 

 手のひらに収まるくらいコンパクトですが、厚みは結構あります。レンズはウォーレンサックのアナスチグマット44mmF3.2で、円形絞り、3枚羽根のレンズシャッターです。シャッター速度はT,B,1/10,1/25,1/50,1/100,1/200で、1/10があるのはうれしいですが、高速側がちょっと厳しいです。炎天下では絞り込んでちょうど良いくらいになってしまいます。
 距離計は上下像を合わせる方式で、これは単純ながら意外とピントは合わせやすい物です。ただ、目の位置の上下によりかなり見え方が変わるのは欠点です。後ろから向かって右側の接眼部が距離計です。センターはフレーミングファインダーで、ちょうどレンズと左右方向は合っていますので、パララックスは上下方向のみ発生します。これもシンプルながら意外と見やすい物です。
 フィルム装填は裏・底を外す方式で、まあまあ楽です。フィルムの巻き上げが難しく、一度巻き上げダイアルを持ち上げて回すとロックが解除され、一枚分回転して巻き上げるとロックされると同時にシャッターの準備が整います。シャッターの準備はレンズ側の飛び出たピンを押せば良いだけなので、多重露出も簡単です。
 ピント調整はレンズにつまみがあるのでそれを指で操作すれば良いのですが、さすがアメリカ製なので、距離目盛はフィートなのが使いにくいです。絞り・シャッター速度もレンズ周辺で合わせます。
 シャッターが実に使いにくく、コンテッサ35に似た位置にありますが、押し下げると初めにピンがカチッと出てきて、さらに下げるとようやくシャッターがニョロっと切れます。切れるタイミングがつかみにくく、しかもぶれ易いです・・・。
 巻き戻しはただ巻き戻しダイアルを回すだけです。

 インターネットカメラショップのカメ屋で購入しました。ここはマニアックなものがお手軽価格で販売されていてうれしいのですが、すぐに売れてしまうので、まめにチェックしてこれだ、と思ったものはすぐに手を出さないと他の方が買ってしまうのが難しい所です。
 私が購入したものは上の写真のようにかなりのボリュームのセット状態で、フラッシュとボディのアンバランスなのが実に面白いです。カメラケースもなかなか奇麗ですし、フィルターセットもついていましたが、どうやってレンズにつくのかが不明です・・・。ケーブルレリーズは短いものがついていましたが、これは意外と便利で、上記のようにシャッターが使いにくい点を少し解決してくれます。フラッシュが使えるということはシンクロするのですが、残念ながらストロボ用のX接点はないようです(多分)。さらにカメラバッグもなかなか立派なものがついていました。これはおそらく本皮ではなく、合皮です。

 このカメラの購入のポイントの1つにコンパクトさがありますので、大きさを比べてみました。コンテッサはスプリングカメラですのでたたむと携帯性は良いのですが、やっぱり意外と重たいのです。で、ついついさらに小さなこのカメラを買ってみたわけですが・・・。
 やっぱり小さいです。ハーフサイズのオリンパスペンとほぼ同じ大きさで、厚みだけちょっと暑いです。重さも400g程度でなかなか軽いですし、これなら鞄に入れても楽です(コンテッサのときもそんなことを言っていましたが・・・)。

 本当はアルパを使ってみたいのですが、まずは同じ設計者の血をひいたお手軽なボルシーも良いかな・・・と。いつものごとく分解して掃除もしましたが、実にシンプルで良く考えられた作りでした。とことんこだわるドイツ製とはまた違った面白さがあります。

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 撮影結果もすばらしいです。とてもこんな小さくて簡単な作りのカメラで撮影したとは思えません。解像力は低いみたいですが、雰囲気・色などが良い感じで、すっかり気に入りました。低速シャッター速度でぶれずにシャッターを切れれば奇麗に撮れます。ただ、やっぱりぶれずにシャッターを切るのはこのカメラの場合特に難しいです・・・。

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 お気に入りのカメラには・・・やっぱりフードくらい付けてあげたいな、と中古屋さんで探してきました。コダックのシリーズVというフィルター・フードの規格物が使えるのですが、レンズにはめる部分はカメラごとの専用リングが必要で、運良く見つけました。ちょっとフードは径が大きすぎる気もしますが・・・。

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 入手したときにシャッター関連の整備をしたのですが、その際にオイルを指しすぎたため、たまにエーテルで掃除しないとシャッター羽根が動かなくなる現象がずーっと続いていました。毎回面倒なので、思い切って分解整備することにしました。シャッター羽根までばらばらにした状態です。

 Bolsey-B2のシャッターは実に簡単な仕組みで、しかも大抵の部品が差し込んであるだけなので分解は簡単ですが、バネを飛ばしやすいのです。今回は久々の分解で忘れていて、1つバネをなくしてしまいました。しょうがないので針金を使って自作しました。

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 絞り部分です。ジュビリーと違って綺麗な円形絞りです。

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 シャッター羽根を乗せたところです。3枚羽根なので、比較的簡単に乗せられますが、ピンセットが無いと厳しいかもしれません。

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 無事に組み上げたところです。まだちょっと部品が外れていますがこれらはただ差し込んでバネを絡ませるだけです。

 ジュビリーのページにも分解を追加したので、比較してみると面白いです。


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