コンピューター:師匠と弟子の会話:どのOSが良いの?


弟子:「もう3回目をやるんですか?」
師匠:「そうだ。気が向いているときは一気にやるのが俺の好きなやり方だからな。」
弟子:「仕事が取れなくて暇なだけじゃないんですか?」
師匠:「そうとも言うな・・・。まあ良いじゃないか。暇なときにWEBサーフィンばかりやっていても飽きるし、人の役に立つような情報でもまとめるのも世のために良いことだ。」
弟子:「あれ?読んで頂かない、という方針だったのでは?」
師匠:「そうだ。でも中には物好きもいて、そういうやつの役に立っても良いじゃないか。意外とそういうやつに限って使えるやつだったりするんだ。」
弟子:「・・・。さてさて、今はOSがいろいろありますが、師匠はどのOSが好きなんですか?」
師匠:「そんなもの決まっているだろ。UNIXじゃないか。」
弟子:「でも、広まっているのはWindowsじゃぁ・・・」
師匠:「世の中、良いものが必ず受け入れられるとも限らないのだな。ただ、今は良い時代だよ。何しろ10万円くらいのPCを買ってくればWindowsはもちろん、UNIXだって選り取りみどりだろ。俺がコンピューターをはじめた頃なんかひどいもんだったな。」
弟子:「また昔話ですか・・・」
師匠:「年を取ったからな。でも昔はどうだったかを知っておくのも大事なことだ。だから学校では歴史を学ぶのだ。」
弟子:「たしか学校教育を1回目の話では批判していた気が・・・」
師匠:「いいんだ。俺は結構主義主張がころころ変わるからな。で、昔の話だが、俺がコンピューターをはじめた頃は、ちょうどMS-DOSが普及し始めた頃だった。Windowsの前身だな。バージョン2.11というのが出回っていた。その頃、PCといえばDiskBASICで、N88BASICとかいうNECのBASIC言語をディスク上で動くようにしたようなやつが主流だった。ディスクといってもフロッピーだな。5インチ2HDが出始めた頃だった。その前はディスクではなく、テープからプログラムをロードして、実行していたもんだった。ピーガーうるさいやつだ。で、それらBASICとMS-DOSの決定的な違いは、MS-DOSはDOS、つまりディスクOSだったのだな。ディスク上で動くOSで、OS上で、各種アプリケーションが実行できたのだ。ディスクBASICももちろんディスク上でアプリケーションが実行できたが、それはBASICプログラムか、マシン語プログラムだった。PCで本格的なDOSとして出てきたのは確かCP/Mの方が先だったかもしれないが、いずれにしても、マイコンの延長だったPCにOSが乗ることで一気に現代的になったのだ。」
弟子:「でも、OSとしてはDOSより、UNIXの方が古くからあったのですよね?」
師匠:「そうだ。でもUNIXはマルチユーザーマルチタスクのOSで、さすがに当時のPC、CPUが16ビットの8086のクロック8MHz、しかもディスクはフロッピーで、1.2MByteくらいではUNIXは無理だったのだな。で、CP/MやMS-DOSはシングルユーザーシングルタスクのOSとしてUNIXとは全く別の存在価値があったのだ。」
弟子:「CP/Mって見たこと無いですが・・・。」
師匠:「そうだな。CP/Mは実はほとんどMS-DOSと機能的には差は無かったのだ。ところが若干ディスクI/Oの速度が遅かったのだな。あとはやはりマイクロソフトの商売のうまさで、いつのまにかMS-DOS一色になってしまったのだな。まあ、それはともかく、そのMS-DOS上にワープロやコンパイラやゲームなど、いろいろなアプリケーションがあり、開発も効率アップしたし、ユーザも便利になったわけだな。もっともその頃は画面サイズも640x400や640x480ドットで、表示可能文字数も80文字x20〜25文字と狭く、Cのプログラムをエディットするだけでも大変だったが、それはそれなりに便利なエディタがあったりして良い時代だった。」
弟子:「で、それがどうしてUNIXを支持する理由に・・・」
師匠:「まあ、ゆっくり話を聞け。MS-DOSはそういう感じで、PC独自の世界でいいものだったのだ。俺はその頃からアルバイトでUNIXのプログラムも作っていたから両方使っていたが、それらは全く別の使い道のものだったのだな。だからどちらも好きだった。ところが、その後、CPUが80186・80286とだんだんに32ビット化してきて、アドレス空間が広がってくると、どうしても人間、欲が出てきて、PCでマルチタスクをしたくなってきたのだな。その頃からSmallTalkとかオブジェクト指向言語とウインドウ環境が合わさったようなものがあったが、だんだんそういう方向になってきた。で、マイクロソフトはWindowsを出したわけだ。俺は何しろ大学4年のときに自腹でWindowsバージョン1を買ったのだ。確か1万円の後半の値段だったと思うが。で、自宅のPC9801M2に入れて動かしてみた。何じゃコリャ、ウインドウは重ねられないし、とてつもなく遅いし、時計をたくさん出して遊ぶしかないじゃないか。アプリを動かすと、突然画面が切り替わってDOSの画面と変わらなくなるし・・・。まあ、8086でマルチウインドウマルチタスクしてただけでも立派なのだが、実にがっかりしたものだった。SmallTalkのウインドウ環境の方がよほどしっかり動いていた。俺はこの時点でマイクロソフトのWindowsを決定的に嫌いになったのだ。」
弟子:「ずいぶん昔の話なんですね。でも師匠は今だって、現にこうしてホームページはWindowsマシンを使って作っているじゃないですか。」
師匠:「嫌いだから使わない、というほど俺は完璧な人間じゃないからな。まあ、その後、仕事ではUNIXマシン、ミニコンやソニーのNEWS、サンのスパークステーションとかを使い、ワープロを打ったりするときだけPCをちょっと使っていたのだ、MS-DOSでな。ところが、Windowsを無視していたら、いつのまにかバージョン3を超え、結構まともになってきたらしい。で、顧客からドキュメントをワードで作れ、といわれ、仕方なくWindows3.1を使ったのだが、まあ昔に比べればだいぶまともになったが、安定性やマルチタスクの動きはまだまだだった。びっくりしたのはその後だ。Windows95が出たのだが、なんとそれまでのMS-DOSからWindowsを起動する、というのではなく、いきなりOSがウインドウシステムと合体してしまったのだ。しかも32ビット化され、ちっともデバイスが対応してこなかった。もちろん動きもいまいちで、何かあるとすぐに青い顔をするし(画面が青くなる)、ますます気に入らなくなったのだった。」
弟子:「いまでもWindows98なんか、たまに青くなってますね。」
師匠:「そうだろ、もっともNTや2000は割とまともで、ちゃんとタスク管理をしているみたいで、暴走してもそのプロセスだけ殺したりしても不機嫌にならなくなってきたけどな。」
弟子:「良くご存知じゃないですか。」
師匠:「そうだ。嫌いだが使わないと仕事にならんしな。まあ、そんな感じでとにかく、OSとウインドウ環境が合体しているのがまず気に入らないのだ。」
弟子:「別に使う側からすればどうせウインドウ環境でしかほとんど使わないんだからいいじゃないですか。」
師匠:「そういう使い方ばかりするやつが多いからOSも変になって来るんだ。だいたいマッキントッシュとかアップル系が諸悪の根源だな。」
弟子:「そんなことWEBで言っていていいのですか?きっと批判がたくさん着ますよ。」
師匠:「ははは。このページは反論・苦情は受け付けないからいいのだ。人によって考えは違うからな。賛成するやつは賛成すればいいし、反対するやつはそもそも俺のページなんか読まなければいいのだ。まあ実はアップル系はほとんどいじったことが無いから大きなことは言えないのだがな。Windows物は開発環境も気に入らないのだ。これまたGUIとコンパイラ・エディタなんかをごちゃ混ぜにしたようなへんてこな開発環境があるじゃないか。なんで何でもかんでも合体させるんだかねぇ。」
弟子:「でも、DOSプロンプトでもCLとかでちゃんとコンパイルはできますよ。」
師匠:「よく知っているな。最近はそんなことも知らないやつが多いからな。まあとにかくああやって何でも合体させると自分で好きなものを選んで組み合わせたりすることも面倒だし、だいたい、最近はブラウザもOSと合体しているような感じで、確かアメリカの裁判とかでもめたんじゃなかったかな?何でも合体するな、と言いたいな。」
弟子:「でも大抵の人は1つ買えばなんでも使えるように組み合わさっているほうが便利だと思いますよ。」
師匠:「便利なら良い、というもんじゃない。カメラだってそうだろ、AE・AFなどバカチョンになっているが、バカチョンで芸術が生まれるか、ってんだ。」
弟子:「だいぶ極端な内容になってきましたね。ただの頑固親父って感じ・・・。」
師匠:「うるさい!何も考えていないやつよりはずっといいはずだ。まあそんな感じで、OSが好き、嫌い以前に、マイクロソフト系の何でも合体思考が嫌いなんだ。だが、1つだけ良い点もあるぞ。マイクロソフト系は普及しているからなんと言っても安いんだ。開発ツールだってこんなに誰が使うんだ、というくらいいろいろついてきて10万円くらいだろ。ワードやエクセルだって大抵PC買えばついてくるし。周辺機器も安いしな。UNIXはその点がひどいんだ。サンの開発キットなんて50万円以上もするんだぞ。それで内容はマイクロソフトの開発キットよりぜんぜん少ない。まあ多ければいいってもんでもないが、高いことは間違えない。周辺機器だって、SCSIボードが10万円以上もするんだぞ。何年前の値段レベルなんだ。」
弟子:「結局いずれに対しても不満がたくさんあるみたいですね。」
師匠:「まあ、サンはPC上で動くソラリスとか出してきているからだいぶ昔よりは良くなったよな。バージョン8からはメディア代だけで商用に使ってもいいらしいし、ソースも公開するらしいからな。でも対応デバイスが少なかったりして結構大変なんだよな。その点、UNIXだったらほかにも選択肢があるじゃないか。LINUXやFreeBSDなんかどうだ。これは何しろただだぞ。しかも世界中で使われているから信頼性も結構高いし、デバイスも幅広く対応しているし、リリースもまめに出てくる。最近の一番のお勧めはこいつらフリーUNIXだな。」
弟子:「結局師匠は安いのがいいみたいですね。」
師匠:「そうだ。貧乏だからな。俺はソフトを開発して飯を食っている割にはソフトは安く使いたいのだ・・・。まあもともとソフトは目に見えないから価値を認めてもらいにくくて仕事をする上でも損をしているからな。せめて俺が使う側の時には得をしておかないとな。」
弟子:「では、結局師匠が一番お気に入りのOSはフリーのUNIXなんですね?」
師匠:「うーん、でもフリーのUNIXには一つだけ大きな欠点があるんだ。Motifが無いんだよな。UNIX系のX-Windowsのもっとも普及しているツールキットが使えないのは痛い。フリーのMotifもどきのツールキットなんかもあるが、中途半端だしな。これが解決できればフリーのUNIXは少なくともエンジニア向けのOSとしては最高のものになるかな?いまでも画面系を使わないサーバプロセスなんかを動かしておくには最適だしな。」
弟子:「結局今のところはどれも一長一短なんですね。アプリケーションの多さや周辺機器の豊富さで考えたらやっぱりWindows系ですしね。」
師匠:「そうだな。まあそれぞれの良いところと悪いところをわきまえた上で、マルチに使いこなすのが、今は一番いいかもしれないな。」
弟子:「ところで、師匠はフリーのUNIXでは何が好きなのですか?」
師匠:「俺ははじめからLINUXよりFreeBSDの方が好きだったのだ。ほかは使ったことが無いから知らないが。もともとBSD系のUNIXはつくりが明確で、非常に使うにもプログラムするのにも良いOSだった。なぜかその後、商用UNIXはシステムV系に統合されてしまったがな。FreeBSDは名前のとおり、BSD系の体系を引き継いでいて、システムコールやコマンドが実にわかりやすいからすきなのだ。なぜかLINUXの方が圧倒的に広まってしまったが、何でなんだろう?」
弟子:「CP/MとMS-DOSの時と同じで、営業力なのですかねぇ。」
師匠:「フリーだから営業という言葉は変だがな。まあいずれにしてもそれぞれ良い点があるのだから、最終的に1つに統一なんかしないで、用途によって使い分けるのがいいと思うのだがな。まあこの辺は俺がそう思ったってどうにもならんからしょうがないが。まあいずれにしても昔のようにディスクやメモリ・速度に縛られずにプログラムを組めるようになったのは幸せだな。ただその分その辺を考えずに無駄なプログラムを組むやつが多いから気をつけないといかんな。Windowsが妙に重たいのはその辺が原因じゃないかと思うのだが、そんなこと言っているとWindows派のやつらに狙われそうだからおとなしくしていよう。」


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