FED-3

 

 ロシア製のレンジファインダーカメラです。正式にはFED-3の後期型です。レンジファインダーカメラは以前から興味があったのですが、最近ではライカくらいしかマニュアルフォーカスのまともなものを作っていないので、手が出ませんでした。ロシア製なら値段も安く、失敗しても良いか、という感じで購入してみました。ロシアはライカやコンタックスのコピーモデルをたくさん製造していて、これはその発展した物です。発展するにつれてライカのデザインからははなれていきましたが・・・。
 このカメラは1970年ころの物で、フィルム巻き上げはレバー式、シャッター速度は1秒〜1/500、フィルム巻き戻しにクランクはありません。セルフタイマーもついています。レンズは交換可能で、バルナックライカと同じライカLマウント(スクリュー)です。ファインダー視度調整もついています。フラッシュシンクロもできそうです。露出計は当然ついていません。レンズはN-61というもので、52mmF2.8の標準レンズです。フィルム交換は裏ブタが取れるタイプです。ファインダーは一眼式で50mmレンズ相当のの視野を見ながらピントが合わせられます。暗いのと覗きにくいのが欠点ですが・・・。

 不具合としては1秒のシャッター速度の場合、後幕が閉じない(シャッターダイアルをちょんと押すと閉じる)点と、フィルム巻き上げ時にレンズを明るい方に向けていると若干光が入るようです。

 撮影してみるとびっくり、すばらしい写りです。シャッター速度などに不安があったのですが、1秒を除けばまったく問題ないようです。何より、レンズの描写がすばらしいです。シャープで歪みも無く、しかも味のある色合いです。逆行に弱いですが、絞りが円形絞りでフレアが汚いわけではないので良しとしましょう。露出計が内蔵されていないので単体露出計を使うしかなく、そのおかげでかえって露出もまじめに設定して良いかもしれません。ボディの不満として、ストラップをつけられない点が非常に困ります。本皮製の立派なケースもついてきたのですが、ケースに入れて使うのはあまり好きではないので・・・。

 こうなるとライカLマウントのレンズは中古で豊富にあるので、特に広角レンズを欲しくなってきました。望遠系は一眼レフに任せた方が良いですから。そうなると問題なのが、ファインダーです。ライカのMシリーズのようにフレームが切り替えられるわけではないので、50mm付近以外は内臓ファインダーではわからず、特に広角側は勘で撮るのも難しい(ファインダーに見えていないところを想定しないといけない)ので、まずは外付けのファインダーを購入しました。

 

 ロシア製のターレットファインダーです。28,25,50,85,135mmに切り替えられます。カメラ+レンズと同じくらいの金額ですが、程度もまあまあで、赤いマークが入っているのは珍しいものだそうです。ただ、ファインダーの四角が傾いているのが気になったので買ってすぐに分解して調整しました。正像ファインダーなのでプリズムが2つ使われていて、立派な物です。また、パララックス補正も一応できて、おおざっぱですが、役に立ちそうです。これで他の焦点距離のレンズも使えそうです。

 購入したお店の方の話ではロシアのレンズは値段に比べて非常に描写が優れているということで、カメラボディ本体はともかく、レンズには価値があるということです。値段もボディはおまけ、という感じで、レンズの金額だと考えて良いくらいだそうです。確かにレンズが写りのほとんどを決めますからね。将来、ライカを購入したとしてもこれらのレンズはもちろん使えますので、長く楽しめそうです。

 撮影してみると逆光に非常に弱いので、フードを探してみました。金属製で、高級感のある物が見つかりました。

 レンズも広角のロシア製35mmF2.8(JUPITER-12)を購入しました。前玉より後玉の方が大きいというレンジファインダーならではのレンズです。最近の一眼レフのレンズと違い、小さくても金属の固まり、という感じで持っているだけでもうれしくなれるようなレンズです。

 ニコンのF4などとはまったく反対の方向のカメラですが、実に楽しめます。不具合もありますが、それもまた趣味、という感じで割り切って使えば良いと思っています。

 その後、シャッターのリボンが切れてしまい、使えなくなってしまいましたが、今思えばこのカメラがライカへの扉を開いてしまった気がします。


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