レンズ比較その20
レンズの比較の20ページ目です。
今回はコンタフレックス・スーパー用に集めてきたレンズを比較してみました。コンタフレックス・スーパーは標準ではテッサー50mmF2.8がついていますが、前群交換により、35mm、85mm、115mmにすることができ、また、接写レンズや、接写用の前群も用意されていました。すべて揃ったわけではないのですが、独特の描写が面白いのでまとめてみました。フィルムはすべてダイナハイカラーです。
まずは梅雨時なので紫陽花での比較です。いずれも最短撮影距離です。コンタフレックス・スーパーはヘリコイドはボディ側にあるので、度の焦点距離でも繰り出し量は一定ですので、焦点距離が短いレンズほど近接ができ、おかげで望遠レンズほど小さくしか写せません。絞りはf4に統一しました。
結果はごらんのとおり、いずれも甘い描写です。やはり無理をしている35mmと85mmは特に甘いですね。50mmでの描写は一般的なレンズと比較しても勝るとも劣らないでしょう。プロクサーを使ってもなかなかの描写です。
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次は距離固定での比較です。橋の柱(?)にピントを合せています。35mmはちょっと樽型に歪曲しています。85mmは糸巻き型ですね。35mmでは背景のボケが周辺部で流れた感じになるのはちょっと目障りです。85mmが一番自然にボケていますが、焦点距離が違うので単純に比較はできません。
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次はまた近接です。テーブルの上の葉っぱにピントを合わせ、前後のボケ・ハイライト部のボケがわかりやすいものです。コンタフレックス・スーパーはファインダースクリーンにマット部が無いので、中心でしかピントが合わせられず、ちょっとピンぼけ気味です。やはり50mmが一番シャープですが、35mmや85mmもボケは自然です。遠景より近くのものを幻想的に撮るのが向いていそうです。
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最後に距離固定での比較です。35mmはちょっとピントがいまいち合っていませんが、やはり周辺部のボケがかなり流れてうるさい感じです。50mmは問題の無い描写で、85mmもちょっとピントが怪しいですが、味がある描写です。
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全体的に50mm以外は甘いのはやはり前群交換式の問題でしょう。あれだけ馬鹿みたいにレンズを大きくしないと駄目なのですから。しかし、甘い分、ボケも場合によっては実に滑らかになるので、メインの被写体と背景との関係を良く考えて使えばこのシステムならではの写真が撮れそうです。もう少し天気が良い日に絞り込んでの比較もしたいところですが、いちいちこの大きなレンズを交換するのも結構大変ですし、それよりはどれか1本と決めて、じっくりと撮った方が良い結果が得られそうです。