レンズ比較その23
レンズの比較の23ページ目です。
今回はレンズ比較というより、最近お気に入りのタムロンのMFレンズのうち、新しくGETしたSP24-48mmF3.5-3.8とSP180mmF2.5の描写を見てみようと思います。ボディはペンタックスMXで、フィルムはダイナハイカラーです。
SP24-48mmF3.5-3.8
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まずは広角ズームの広角側と標準側の描写を見てみました。花の写真の方は絞り開放で、花の方にピントを合せています。24mmでは開放でもかなりパンフォーカス的になりますが、48mmではさすがに背景はボケます。絞り開放でも周辺光量はそれほど圧倒的には落ちません(24mmではちょっと落ちますが)。ボケは広角としてはなかなか自然な方でしょう。標準レンズとしてみるといまいちですが、もともとF値も暗いのでこんなものでしょう。
無限遠側の描写ですが、PLフィルターを使ったのでハイコントラストです。が、使わなくてもこのレンズはなかなかコントラストの高い描写のようです。どちらかというと24mm側のほうが繊細な描写のように思えます。絞っているので周辺光量もバッチリです。今時の広角ズームのように17mmや20mmからではないですし、開放F値もF2.8ではないですし、非球面レンズなども使っていませんが、十分以上の描写で満足です。歪曲はもちろんあるのですが、広角ズームとしてはまともな方でしょう。
最短撮影距離が60cmというのは広角としては物足りないのですが、当時としてはがんばった方でしょう。私はもともと広角系が揃っていないので、お出かけの際には必ず持ち歩くことになりそうです。こんなときにもタムロンのMFはアダプトールUでマウントを交換できますので圧倒的に便利です。何しろライカフレックスなどではもともと広角ズームは存在しませんので。タムロンさんがもう一度MFで広角ズームのしっかりしたものを出してくれると良いのですが・・・。ぜひ金属鏡胴で。
SP180mmF2.5
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こんどは、ずーっとあこがれて探していたタムロンのSP180mmF2.5です。180mm〜200mmクラスではサンニッパ並みのでかさのF2は別として、普通に持ち歩けるサイズでは一番明るいレンズです。IFを採用しており、ヘリコイドも軽くスムーズで、最短撮影距離も1.2mとこれまたマクロ以外では最短ではないかと思います。記念モデルとして1988年から4年半、限定生産されたようで、意外と数が少なく、サンニッパより見かけることは稀です。私としてはサンニッパをタムロンでGETしたので、どうしても180mmも揃えたかったのでした。ゴールドの銘版がカッコ良く、グリーンの鉢巻も良いのです。
肝心の描写ですが、これまたすばらしいものでした。作品集30にも買ってすぐの試写結果を載せましたが、ここでは近距離側を載せてみました。一番上が最短の1.2m、下に行くほど遠くにピントを合せています。いずれも絞りは開放です。サンニッパもそうだったのですが、このレンズも絞りは8枚羽根で形状も良く、絞ってもまずまずのボケ方です。
さすがに最短撮影距離で絞り開放は圧倒的な被写界深度の薄さを感じます。一番下の写真くらい(3mくらい)離れてようやく普通のボケの量になります。ボケは前も後ろも実に滑らかで綺麗です。下の2枚でセンター付近に変なハイライト部がありますが、これは遠方の車のフロントガラスに反射した光が葉っぱの合間から抜けてきたもので、フィルムの傷などではありません。
180mmはさすがに普段付けっぱなしで使うのは難しく、遠方の綺麗なお姉さんを狙うには良いかもしれませんが、あまりそういう写真を撮りたいとも思わないので、使う機会はそれほど多くないと思います。そんなレンズこそアダプトールUの価値があります(しつこい!)。サンニッパに付属してきた1.4倍テレコンも使用可能で、252mmF3.5になります。サンニッパより圧倒的に軽くて持ち運びやすいので普段はこれで十分でしょう。高いレンズでしたが、作りも非常に良く、サンニッパ以上のこだわりを感じます。ニコンやキャノンの同じクラスの中古価格より圧倒的に高かったのですが、アダプトールUでいろいろなボディにつかえるだけでも私の場合、元は取れます。
現在、タムロンのレンズはこの2本と、サンニッパ、SP90mmF2.8マクロをもっていますが、いずれも非常に気に入っています。もちろんアダプトールUの便利さもあるのですが、描写もすばらしいものです。90mmマクロは新しいタイプでプラスチックボディなのは残念ですが、古いタイプはいずれもすばらしい作りです。タムロンさん、是非MFはレンズ構成はAFと同じでも金属ボディにして、多少高くなっても良い物を出してください!コシナ・フォクトレンダーも質感の高いレンズで結構評価されていますし・・・。期待しています!