OLYMPUS OM-1N

 ついにOMシリーズに手を出してしまいました。
 実は、コンタックス139Qのワインダー付き見切り品を買おうかと思って見せてもらったら、裏ブタがデータパック付きで、うーん、と悩み止め、しょうがないなぁ、と他の店に行ったときにジャンクコーナーにOM-1Nを見つけてしまったのでした。8000円で、一応動作、という状況ですが、かなり外観は錆びていたり凹んでいたりした状態です。まあ、8000円なら良いか、とGETしました。ボディのみです。
 OMシリーズは個人的にコンパクトでデザインも好みでずーっと気になっていたのですが、ニコン・ライカR同様フランジバックが長いので、他のマウントのレンズはまず使えず、なかなか手を出せなかったのでした。

 家に持ち帰ったときの状態です。写真が小さいので分かりにくいですが、外観上は錆が白く出ているのと、軍艦部のフィルムカウンター付近の凹みなど、程度はいまいちです。

 メカ的には、露出計は不明、ミラーは綺麗。シャッターなどは一応動いている状態です。

 早速軍艦部を開けてみました。ネジ2本とカニ目3箇所で簡単です。中のほうは綺麗ですが、外に近いほど汚いので、海水を浴びたか、皮ケースなどに入れたまま湿った押入れに閉じ込められていた感じでしょうか。

 接眼部です。両脇にCDSが配置されており、これがOMシリーズで有名な逆入光の影響を受けやすいのでしょう。なお、接眼レンズは端がかけていますが、まあそれほど視野には影響ありません。

 プリズムを外したところです。OMシリーズはプリズム腐食も有名ですが、これは珍しく全くOKです。接眼部上部にモルトがたくさん使ってあり、ここが溶けてプリズムに行くものが多いのでしょう。私のものは溶けていましたが、プリズムには到達していませんでした。スクリーンも綺麗です。

 MX同様、プリズム下面が凸レンズ状になっています。

 ボディ下部を開けたところです。やはり外に近いほど錆びています。OMシリーズはシャッターダイアルがレンズマウント部にある関係か、シャッター制御関連がボディ下部の奥まったところにあり、ここを手入れするのは大変そうでやめておきました。

 ただ、高速シャッターがいまいち開いていなかったので、後幕のテンションを下げ、また、できる範囲で微量のオイルを注しておきました。

 レンズはボディ購入時には買わなかったのですが、視度補正レンズは買っておいたのでした。現行品が使えます。が、OM-1など初期のデザインにはアイカップ付きのこのデザインでは大きすぎ、カッコ悪いのでした。

 視度補正レンズつけた状態で前から見たところです。いかにもアイカップが飛び出していて、せっかくの尖がったシャープなデザインが台無しです。まあ、実はペンタックスLX用のものが使えましたので、そちらを使いましょう。

 レンズも買ってきました。ボディがジャンクなので、レンズも、と6000円の絞り粘り有り、の50mmF1.4です。モノコートのものでしょう。絞りの粘りは実に簡単に治せました。レンズは綺麗です。

 ボディも貼り皮を張り替え、錆びていたり剥げていた個所を一応塗装してみました。凹んでいたフィルムカウンター付近も少しは叩いて直しました。

 露出計はH-D型水銀電池を入れたところずれていましたが、これはフィルム感度設定のメモリをずらして貼り付けて修正した程度でほぼOKでした。

 せっかくMXとOM-1Nが揃ったので、皆さんがやられているように並べて比較です。OM-1Nの方が少しボディの背が高いのですが、ほぼ同じサイズです。

 デザイン的にはOM-1Nの方が個人的には好みでしょうか・・・。フィルム巻上げはOM-1Nの方が少し良い感じなのと、ミラーアップが可能なのは使うかどうかは別として良いです。露出計スイッチがMXはフィルム巻き上げレバーの引き出しでONになるのに比べ、OM-1Nは専用スイッチで、これは切り忘れます。シャッターレリーズロックが付いているのもMXの良いところです。露出計のファインダー内表示はOM-1Nは指針式ですが、定点式で範囲が狭く、MXのLEDながら範囲の広い表示のほうが使いやすい感じです。

 上から見たところです。両機とも50mmF1.4をつけていますが、ペンタックスの方がコンパクトです。シャッターダイアルの位置はやはりMXの普通の位置のほうが使いやすい気がします。OM-1Nはファインダー内に表示もありませんし。

 シャッターをレリーズした際の感触はOM-1Nの方がしっとりしていて良い感じです。

 レンズ+ボディで14000円なら実にお買い得ですね!OMシリーズでは50mmF2、90mmF2の2本の明るいマクロレンズに興味があるのですが、2本とも高価なのでまずはこのボディがちゃんと使えるかどうかを試して、それからお金をためていかないと・・・。

 試写結果がなかなかちゃんとしていたので、フードをGETしてあげました。現行の50mmF1.8用フードももちろん使えるのですが、どうやらプラスチックやゴムみたいなので、金属のものを探しました。ボディとレンズがジャンクの割には高くついたのですが、ライカなどのフードに比べればまだまだぜんぜん安いです。

 このフードはネジで締め付けるようなタイプで、逆さにもできるので、携帯時に便利です。

 対応レンズが書かれています。昔のフードは作りがいいですねぇ。

 さて、肝心の試写結果ですが、作品集33に載せました。50mmF1.4は予想以上にすばらしい写りで、もろ逆光いがいではコントラストも高く、ボケも私の好みです。最短距離で絞り開放はちょっと甘いですが、それもまた楽しいレンズです。ボディはやはりシャッターダイアルが使いにくいです。横位置ではまだ良いのですが、縦位置ではファインダーを覗きながらシャッター速度変更はかなり困難です。絞り優先的な露出の決め方が非常にやりにくいです。
 実はシャッター幕がまだちょっと不調で、またまた調整中です。せめてシャッター速度測定器があれば・・・。

 シャッターの問題を修理できました。ミラーアップするとOKなのですが、通常時に後幕が先幕に追いついてしまい、テンションで強引に調整すると、今度はミラーアップすると空き過ぎ、という問題だったのですが・・・。盛大に分解し、懐中電灯で照らしながら各部の動きをよーく観察して原因を調べていったのですが、最終的に、メカ的にはどう見てもつじつまは合っていて、幕の動き自体が問題で、ミラーアップしたときとしていないときで差が出ていました。露出計メーターまで外して除きながら観察した結果、なんとシャッター幕のドラムとミラーアップ用の部品が微妙にぶつかっていることが分かりました。ドラムを固定しているネジのネジ穴の遊びの分だけ遠ざけ、無事にミラーアップ時と通常時の差を無くしました。結局幕のテンションは購入時から1クリックだけ後幕を下げただけですみました。もとのテンション位置を覚えておいてよかったです。
 ついでに、マウント付近も分解したので、露出計も感度設定メモリをずらすというインチキではなく、ちゃんと合うように調整しました。
 それにしても致命的に破壊しなくて良かったです。だいぶカメラ修理にも慣れてきて、やはり勢いで分解しては駄目で、まずは現状をよく観察し、仕組みをできるだけ理解し、問題点もある程度目処をつけてから慎重に作業するのが大切です。


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