OLYMPUS PEN EE-3

 あれは確かまだ私が小学校の4年生だった頃だと思いますが、誕生日に父にカメラをおねだりしました。当時私は鉄道マニアで、旧国鉄の特急電車などの写真を撮るのが趣味でした。当時、父はキャノンRMを持っていて、それを使わせてもらったりしていたのですが、さすがに完全に貸してはくれませんでした。
 で、誕生日に父がくれたのがこのカメラでした。もらっておきながら不満を言うのもなんですが、「なんじゃこりゃ?」って感じでした。私はもちろん一眼レフを買ってきてくれるものだと思っていましたし(今思えば小学4年生にそんな高い物は買い与えませんよねぇ)。
 気に入らなかった最大の理由はやはりこのレンズで鉄道写真が撮れるか、という点です。当時は風景に溶け込んだローカル線とかではなく、図鑑に出てくるような特急電車のアップが撮りたかったのです。当然このカメラの28mmではいくらハーフサイズと言っても小さく写りすぎます。それ以外にもあまりに自分で触れるところが無いことも不満でした。

 さて、その後年月が過ぎ去り、結婚してマンションに引っ越した頃に実家に遊びに行くと、母がこのカメラいらないかい?と出してきました。あらためていじってみると今のコンパクトカメラには無い質感がうれしく、持ち帰りました。このカメラは電池も使わないくせにAE(当時はEEと言っていた気がする)なのです。絞り開放でF3.5で、シャッター速度は1/30と1/250の2段式だったと思います。1/30,F3.5でもアンダーの場合はシャッターボタンを押すとファインダー内に赤い表示が現れます。
 うーん、いったいどうやってこの動きを実現しているんだろう・・・と思ってファインダーの掃除を兼ねて分解してみてびっくり。セレンの露出計のメーターの針にシャッターボタンの動きと連動するレバーが当たって絞りなどを調整しているのでした。これは組み立ても大変でしょうし、精度を出すのも大変そうです。
 AEの他に、主にストロボ用ですが、マニュアルで絞りを設定もできます。また専用ストロボを使うと更に簡単に調光ができる仕組みも(と言うほどでもないですが)あります。
 無事にファインダーも奇麗になったので、ネガフィルムを使って試写してみました。うーむ・・・ピントがいまいち合いません。このカメラはパンフォーカスなので近くても遠くても絞りを開けてしまうとピントが合わないみたいです。晴天下で絞ってくれるとまあまあの写りで、その結果は作例に載せてみました。レンズ的には変な歪曲もなく、良いと思うのですがピント調整が無いのが残念です。

 今後どんどん使おう、というほどではないですが、最近のコンパクトカメラに比べ金属ボディの質感も良いですし、絞りがある(最近の安いコンパクトカメラはシャッターが絞りを兼ねている物がほとんど)というのもうれしいです。まあ、一世を風靡したカメラとしてたまにいじってあげようと思います。
 なお、このカメラはハーフサイズで、同時プリントに出す際にはフィルム1本でいくら、というお店に出すととってもお得な気分になれます。そういえば昔からハーフサイズだとフィルムがなかなか使い終わらなかったなぁ・・・。


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