性格は変えられる

「どんな著者なのか・・・」

 2ヶ月くらい悩んでいた仕事の解決の糸口が見え、少し気分が晴れてきたので、またコメントを書いてみようかと思います。

 本書もそろそろレビューやブログなどで多少コメントをいただけるようになってきたようで、読者の皆様には心より感謝しております。辛口のコメントもあるようですが、指摘をいただけるのはありがたいことです。「あたりまえのことしか書いてない」というようなコメントもいただいたようですが、プログラマーの方々のレベルが高いのであればそれに越したことはありません。しかし残念ながら、私がこれまで他の方が作ったソースを見て欲しいと言う依頼を受けてきた経験からすると本書の技術的なノウハウに書いたような内容が考慮されていないために問題になっているケースが少なからずありましたし、就職で面接に来る方や、仕事の現場でお会いする方で、本書の仕事のノウハウに書いたようなちょっとした心がけに気を配っていればもっと活躍できるのに、と思うことが何度もありました。おそらく評価を公表してくださる方は自分に自信があり、あたりまえの内容だったのだと思いますが、そうでない方のヒントになるような感じでお役に立てれば幸いです。

 さて、あまり言い訳のようなことばかり書いていても面白くありませんので、私自身がどんな人間なのかでも書いてみようと思います。

 部下の指導をしている場合などに、「あなたのようなレベルの人間ではないから」と逃げられたりします。著書を読んでいただいている方にもひょっとしたら「本を書くような人と同じことは無理」と思われる場合もあるのかもしれません。しかし、実際はごく普通の人間で、誰でもすぐに私と同じようなことはできることでしょう。プログラマーとしても、肝心のプログラミング技術などはまったく誰からも教わっていませんし、大した技術ではないと思っています。そんな人間でもある程度の成功はできるのですから、皆さんもちょっとした考え方の工夫で良い仕事ができたり、誇れるような腕を身につけることができるのです。

 著書ではあまり自分のことばかり書くこともできないので、ここで書いてみようと思います。興味のない方はあまり有益な情報もないと思いますので・・・。何回かに分けてポイントごとに書いてみます。

「性格は自分で変えることができる」

 私は小さい頃、気が弱く、いじめられっこでした。記憶のある幼稚園の頃からすでに弱虫でした。母に聞いても、団地の公園にある砂場に出かけて行ったと思うと、他の子に何か言われて泣きべそかいて家に帰ってくるような子供だったようです。小学校に入っても太ってましたので運動が苦手で、引っ込み思案な性格も変わらず、目立たない子供だったことでしょう。小学6年の頃にそんな性格が嫌になり、「性格を変えたい」と心に決め、嫌なことは嫌と言えるように努力し、スポーツも少しでもできるように団地の周りを毎晩マラソンしたりし始めました。友人から「性格がちょっと変わったね」と言われたこともありましたし、6年生の運動会ではリレーの選手に初めて選ばれたりもしましたが、まだまだどちらかと言えば弱い性格だったでしょう。

 中学に入り、別のポイントで紹介しますが、勉強は圧倒的にできたのですが、やはりスポーツはいまいちで、それでも夜のマラソンは続けていたのですが、部活もスポーツがあまり得意でない人たちが集まる卓球部。勉強ができたので学級委員や校紀委員ばかりやらされましたが、やっぱり臆病で不良連中に注意もできず、成績は体育意外は完璧でしたが、自分としては満足できない状態でした。隣の席の女の子と話もできないくらい、とにかく弱い性格でした。

 高校は埼玉県で一番レベルの高い男子校に合格したのですが、ここでようやく性格を変えることができたと言いますか、変えられてしまったという感じですが、中学までの私とはまったく別の(根本的には同じ部分も多いのですが)性格・行動になりました。レベルの高い学校ですから、周りは皆勉強ができ、しかもスポーツも本気で取り組む連中で、私はもともと他人と同じことをするのが嫌いなので、周りが勉強ばかりしているので勉強に興味がなくなり、成績もひどい状態でしたし、サボったり、音楽に逃避したり、いわゆる「落ちこぼれ」になりました。授業中に指名されて答えられずに立たされたり、テストの成績がひどくてレポートを書かされたり、職員室に呼ばれたりとひどいもので、高校3年では赤点をつけられたり、親はさぞがっかりしたことでしょう。しかし今考えるとこの経験が私の性格を大きく変え、強くしてくれたのです。

 浪人して勉強する気はなかったので、7つ大学を受験し、見事に一番レベルの低い学校に合格し、親に反対されながらもそのまま進学したのですが、軽音楽クラブでヘビメタをやったり、大学に行ってもほとんど授業も受けず夜は飲み歩き、まさに好き勝手な行動をしてました。父とバス停で会ったときに、父の顔を見ていたら目をそらされ、近づいてみたら「息子だとは気が付かなかった。ガラの悪いやつが来たと思った。」と言われたりもしました。工業化学が専攻でしたが、すぐに飽き、単位はそれなりにいろいろな手を使って取りましたが、遊んでばかりいました。高校が男子校だったせいもあり、工学部で学科に8人しかいなかった女の子にひたすら声をかけ、平気で飲み屋で知らない女性に声をかけたりするようになりました。夜のマラソンは何とか続けていて、勉強はできなくなった代わりにスポーツはそこそこできるようになっていました。小学6年の時からの目標であった性格を変えることがほぼ達成できたのです。その代わり勉強などではかなりの犠牲が出ましたが。。

 就職に関しても他で書こうと思いますが、社会人になってもとにかく女の子を追い回し、妻は会社で一緒に仕事をしていたのですが、妻から見た当時の私の印象は、「態度がでかくて、ずうずうしくて、女好きの嫌なやつ」だったようですから、見事に臆病な性格を変えたと言えるでしょう。当時の社長とは毎週会議で大喧嘩をするし、お客さんの前で平気で話をし、自分で事業部を作り、本を書き、社長になり・・・と、小さい頃の私を知っている人には信じられないような変わりようだと思います。

 まあ、どうでもいい話という気もしますが、部下にコミュニケーション面の注意をする際などに、「自分はこういう性格なので・・・」と言われるのですが、私は自分で自分の性格を変えられましたから、「本気になれば性格をも変えることは可能だ」と自信を持って言えます。子供の頃の臆病な私はチャンスが目の前にあっても逃げる性格でした。その割に将来の夢は「有名人になりたい」でしたから、どうしても性格を変えないと駄目だったのです。実は今でも子供の頃の嫌な面がたまに出るのです。スポーツが苦手だったので、他人に迷惑のかかる団体競技が特に苦手で、今では地元のソフトボール部に所属していますが、やっぱり他のメンバーに迷惑をかけてしまっているか、など余計な考えをしてしまい、大事なところで体が硬くなったりしてしまうのです。そういう自分が嫌で、自分の子供たちにはとにかくスポーツの楽しさを一緒に遊んだりしながら教えました。それ以外はほとんど過去の嫌な自分を変えられたと思っています。

 もちろん変わらない点もあります。負けず嫌いなので、自分のこだわっていることで他の人に負けたと思ったときや、自分の思いが伝わらないときなどは本当に悔しいのは昔からです。私は子供の頃いじめられっこだったので、他の人の悪口を言うのがとても嫌いです。特に体格など自分でどうしようもないことなどを言われるのは冗談でも辛いものです。言われるのがどれだけ嫌なのかを身にしみていますから言いません。ですから他人の失敗で自分も上手くいかなかったことなどはあまり気にならないのですが、その代わり自分の失敗は本当に頭にきます。他人に対して腹が立つことはあまりないのですが、自分に腹が立つことはよくあります。一人で勝手に自分に怒ってます。やっぱり根本は暗いのかもしれません。表面的な性格は変えられてもそういう根本部分は変えられないのかも知れません。が、少なくとも仕事や人付き合いに関係するような部分は変えられると思います。

 自分の性格が嫌いな方、かなりのところまで変えられると思いますよ!性格だからと言い訳して逃げずに、自分の理想の自分に少しでも近づけてみてはいかがでしょうか。

2007.1.24

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from 2007/1/13