勉強について

 すでに午前1時です。とっとと寝ればよいのですが、家に帰ってから仕事をしたり、妻から相談事を持ち掛けられたり、もちろん自分の趣味をやっている場合もあるのですが、とにかく毎日寝不足です。。私は基本的には会社に遅くまでいないように努力してます。上司が遅くまで残っていると部下が早く帰りにくいからです。少しでも子供と話もしたいということもありますが、結局やることはたくさんあるので家で仕事もします。逆に会社にいても気分が乗らないときはネットサーフィンをしていることもあります。プログラマーの仕事は時間ではなく技術ですから。とはいえ、管理職になるとやはり規則正しい生活も重要です。部下は上司の悪いところはすぐに真似ます。

 さて、本当は書かずに寝ようかと思ったのですが、アマゾンの著書のページを見たらよいカスタマーレビューを書いてくれた方がいまして、かげながらお礼の気持ちも込めて書きたくなりました。ありきたりな内容ながらも、プログラマという仕事に対する自負心の大切さが心に残ったと言うコメントをいただきました。そうです。多くのプログラマーに一番欠けているのではと心配している点です。SEの下で、契約通り言われたことだけやれば良い、という仕事の取り組み方では、時には職人的な面も必要なプログラミングではなかなか良いものができません。そういう仕事をしていると結局儲かりませんし、量をこなすしかなくなり、苦しいばかりで嫌になります。一人一人が得意分野に自信を持ち、一流の仕事をするのだと言う気持ちがあれば、プログラマーの仕事は現状よりはるかに楽しく、やりがいのある仕事にできると思います。

 人間、ほんのちょっとしたきっかけで大きく変わることができるものです。著書がほんの少しでもそのきっかけに役立てることがあれば本当にうれしい限りです。ということで、今回は、著者はどんな人か、という内容の2回目として、勉強に関することを書いてみます。勉強もほんのちょっとしたきっかけで伸びるものなのです。

「勉強について」

 勉強で本当に差が出てくるのは小学4年生からと言われているようです。私は小学4年の2学期まではごく普通の目立たない子供でした。一つ前のコメントに書きましたように、性格も引っ込み思案で、スポーツも苦手で、勉強も平凡、と、目立つわけもありません。

 4年生の12月に入った頃のある土曜日だったのでしょうか、父が、「明日、テストを受けに入ったら、クリスマスプレゼントを明日買ってやっても良いぞ。」と、珍しいことを言いました。我が家は結構厳しい家庭でしたので、プレゼントを当日より早く買ってもらえるなどというのはとても珍しいことだったのですが、私はもちろん相当喜んで、日曜日に父に連れられて慶應義塾大学の三田校舎までテストを受けに行きました。何の試験なのかなどは一切聞いてませんでしたし、興味もありませんでした。ただ、帰りに模型屋に寄ってクリスマスプレゼントのラジコンを買ってもらうのだ、と言うことを楽しみに出かけました。

 テストの様子はあまり覚えていないのですが、4教科受け終えて、待っていた父に会った風景はなんとなく覚えてまして、「なんだかとても難しい問題だったよ。」と言った気がしますが、そんなことよりとりあえず早くラジコンを買いに行きたかった気がします。もちろんラジコンは買って帰りました。夜に速く走るように油を差したりしてすぐにプラスチックがもろくなって壊れて、模型屋のおじさんに唖然とされたということも覚えています。

 数週間後、父から、「塾に合格したから、毎週日曜日に都内まで塾に通うか?」と聞かれました。テストは四谷大塚進学教室と言う、当時かなり有名な進学塾の入塾テストだったのです。四谷大塚は正会員、準会員の2ランク有り、私が合格したのはもちろん下のランクの準会員だったのですが、塾と言うことより、毎週電車に乗れるというのが電車マニアだった私にはとても魅力的で、あまり悩んだ記憶もなく、行くことになったようです。

 四谷大塚は結構月謝も高かったはずで、よくそんなお金があったものだと感心しますが、豊富な教材を買い、教材と一緒にソノシート(ペラペラのレコード)が付いていて、塾歌は今でも大体覚えているくらい新鮮だったのでした。塾とは言っても毎週日曜日にはテストを行い、その後少しだけ先生の解説があるだけで、毎週月曜から土曜まで、教材を使って自宅で勉強する、というスタイルでした。教材は基本的に問題集で、私は毎日、19時から21時まで勉強をすることになっていましたが、実際は勉強をしているふりをして、最後に答えを居間に取りに行って、答えあわせをするように見せかけて、実際はわざと多少間違えながら答えを写して○×をつけていた、という感じでしたので、毎週のテストも大して成績は良くなく、6年生で終わるまで一度も正会員になれませんでした。もっとも私は私立中学の受験もしませんでしたので、四谷大塚に何のために行っていたのか、というくらいでしたが。一緒に通っていた友人にはお世話になったお医者さんの息子さんとか、優秀な成績で、見事私立中学に進学していました。

 ところが不思議なことに、小学校の成績は4年生の3学期から急に良くなったのです。学校の担任の先生が驚いていたと母が言っていた気がします。それほど真面目に勉強をがんばった記憶はないのですが、四谷大塚で刺激を受けたのでしょう。

 地元の公立中学に進学すると、1・2年生では学期ごとに北辰テストという偏差値が出るテストがあり、これまたあまり勉強をしていなかったのですが、最初の北辰テストで学年15番くらいで、偏差値68だったと思います。自分としては、適当にやった割にはまずまずで、次回はもう少し真面目に解いてみるか、と、2学期はもう少し真面目にテストを解いたら、学年5番くらいで偏差値70くらいだったと思います。2年生の間も大体そのくらいを維持していました。2年生までは塾には行ってませんでしたので、やはり四谷大塚の効果が続いていたのでしょう。3年生になると頻繁に北辰テストがあるようになり、私は特に勉強をがんばっていたわけではないのですが、なぜか周りで付いていけなくなる人が増え、3年生の間は大体学年2番、偏差値73くらいでした。今考えてもすばらしい成績です。なぜか1番には一度もなれず、生徒会長をやっていた頭の良い友人がほとんど1番だったのですが、一度だけ彼が1番から落ちたことがあったと思うのですが、私もそのときは駄目だったのでした。また、親が都内の中学の先生をしていたので、東京都の試験も受けてみたりしたのですが、それでも偏差値73くらいで、まさに親は鼻高々、と言う感じだったことでしょう。テストは私にとって順位や偏差値を競うゲームのようなものでした。勉強をしていたわけではないのですが、要領で解けた感じです。3年では友人と一緒に東大学力進学会、今のZ会の前身のようですが、安かったのでそこの夏期講習などに参加してみました。大体どの試験を受けても偏差値73位ですから、当然一番上のクラスで、周りは本当にビン底メガネばかりという感じで、東大のアルバイトの講師が冗談を言っても笑っているのは私と友人くらい、というすごいクラスでした。

 高校は埼玉県の一番偏差値の高い公立高校を受験し、これは結構ぎりぎり受かった程度だった気もしますが、この瞬間までが親孝行していた感じで、高校では完全に落ちこぼれ、高校3年では赤点(通知表で1が付き、このままでは進学できない)ももらい、ひどいものでした。高校に入って勉強を減らしたのではありません。もともとしてなかったのですが、高校の勉強は公式の暗記などがポイントなので、勉強しないと解けないのです。公式をテスト中に考え出すのは時間が足りません。まあ、周りがあまりにも皆頭が良かったので、多少やったところで目立てないと言うことでやる気が出なかったのかもしれません。男子校だったと言うのも影響しているかもしれませんが。。

 大学も7つ受けましたが一番レベルの低い1つだけ合格し、親に反対されましたがそのまま進学しました。高校・大学と勉強に関してはひどい状態でしたが、一つ前に書いたように性格改善は成功したので・・・。まあ、人生挫折も必要です。何もかも順調すぎると大人になってから最初の挫折でつぶれてしまったりするものです。この先は勉強に関してはあまり書くこともないのですが、私が高校に入るまで圧倒的な成績を誇ったのは間違いなく四谷大塚に行ったからです。四谷大塚の授業が良かったわけではなく、そういう刺激がポイントだったのです。

 学科では算数・数学が好きでした。好きになったきっかけは、やはり小学4年生くらいのときで、父がピタゴラスの定理(三平方の定理)を教えてくれたことです。ある休みの日に突然父が直角三角形を書いてごらん、直角を挟んだ辺は3cmと4cmで。残りの1辺の長さは5cmだろう?と。図ってみると本当に5cmで、計算方法を教わって感動したのです!それから一気に算数が好きになりました。中学3年までは常に1学年上の算数・数学の教科書を父に買ってきてもらい、読んでいました。四谷大塚でたくさん解いた、つるかめ算や過不足算、通過算なども好きでした。本当にちょっとしたきっかけなのです。

 また、読書の大切さをいろいろ書いていますが、母が読書好きでしたので、本はたくさん買ってもらっていて、部屋の1つの壁はすべて本棚、と言うくらいたくさん本も読みました。

 特に親から厳しく勉強しろ、と言われていた記憶はないのですが、きっかけがあれば自分で勝手に興味を持って伸びるのです。勉強も技術も仕事も一緒です。まず大切なのは「きっかけ」です。子供の頃は親がきっかけをたくさん与えるのが大切ですが、大人になると自分できっかけを探さないといけません。人との出会いなどもすばらしいきっかけになることがありますが、間違いなく一番たくさんのきっかけを与えてくれるのは「読書」だと思います。技術書だけではありません。自己啓発の本や小説などさまざまな本に触れることで、いろいろなきっかけが得られるのです。

 ということで、やはり今回も、読書の大切さ、で締めくくりましょう。

2007.1.26

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from 2007/1/13