仕事の道具

 すっかり間が開いてしまい、申し訳ありませんでした。仕事ではプログラミングというより、社長業が忙しく、さらにプライベート(?)でも執筆をまた始めたため(改版)なかなか心のゆとりがなくなってしまっていました。おかげさまで仕事の方は良いメンバーに支えられ、またお客さんに恵まれ順調に推移しており、今後に向けての企画なども順調に進んでいるところです。

 さて、またまた執筆を始めてしまったのですが、実はだいぶ前から準備をしていたのですがなかなか忙しく、そろそろ本気になって書かないとまずいということで、出版契約を結んだところ、改版とはいえ2ヶ月で原稿を仕上げなければならず、その為には道具の工夫でもするか、と、あれこれと使ってみましたので、そのあたりを書いてみましょう。オタク話みたいなものなので、興味ない方はご遠慮くださいませ。

 私は毎回執筆ではかなりの割合を電車の中で書いています。ノートPCを持ち歩き、帰りに特急電車の中で書いていたのですが、このところ情報セキュリティが厳しくなり、さらに愛用していた自腹で買ったレッツノートCF-Y2の液晶が壊れ、仕事用に会社で購入したレッツノートCF-Y5を常に持ち歩くのもセキュリティ的にあまり良くないと考え(実は鞄の重さがつらいということの方がポイントでしたが)、4月頃からノートPCを持ち歩くのを止めていました。

 携帯電話でWEBメールでメールはチェック・返答できますし、それほど不便でもないと思っていたのですが、さすがに携帯電話で執筆は無理ですので、何か良いものはないかと探していたところ、たまたまシャープのザウルスが目に留まり、そういえばザウルスはLinuxだし、Linuxの本を書くには最適ではないか?と、SL-C3200を買ってみました。PDAながらキーボードもほぼフルについていて、さらにLinuxなので自分の好きなようにカスタマイズしたりアプリを入れたりすることができ、開発環境まで作って楽しみました。OpenBSDもザウルス用が準備されており、ディユアルブートで使っていたのですが、肝心の執筆はというと、画面の狭さ(640x480)とキー入力が基本的に指二本になることからかなり辛く、まったく役に立たない感じでした。その割にはビジネス向けのSL-6000Dまでオークションで買ったりして盛り上がっていたのですが。

 ザウルスで遊びすぎてますます執筆が進まず、これは何とかせねば、と、さらに探したところ、VAIO-UXというシリーズがかなり小型で、しかも画面の解像度もそこそそあり(1024x600)、キーボードも指二本は変わりませんが、本当にフルキーボードに近いので、これなら執筆でも使えるのでは?と考えて、SonyStyleに注文しようかと思ったのですが、ついでに他を見てみると、VAIO-TZシリーズが目にとまりました。一番小さいバッテリーを使えば、マルチドライブつきでもほぼ1キログラムと非常に軽く、しかもデザインが格好良い!もちろん高解像度(1366x768)で、キーボードも全部の指で打てます。という事で、SonyStyleにオーナーメードで発注してしまいました。さすがにお金がないのでモデルガンなどをかなり処分しましたが。

 2週間くらいでようやく出来上がって手元に届き、その間に出版契約も結び、本格的に書き始めました。VAIO-TZはマルチドライブをつけると 1.8インチのHDDかフラッシュメモリーディスクで、2.5インチHDDを選べないので、1.8インチの100GBのHDDにしましたが、これはさすがに少々遅いものの、それ以外はほぼ満足な感じで、軽さ・薄さも良いですが、液晶の美しさもびっくりしました。PCカードスロットがないのはCFメディアを扱いにくいなどちょっと気になりますが、カメラ・マイクも内蔵されており、 Skypeも快適です。ちょっと華奢な感じもしますが、デザインも綺麗なので大切に使う気にさせてくれます。

 私は大学2年からプログラミングを始めて、そのままプログラマーの仕事を続けていますが、その割りに実はあまりPCを自分で購入しておらず、大学2年のときにPC9801M2を買い、その次は相当間が開いて1冊目の本を書いた頃にレッツノートのCF-B5RというトラックボールのB5ノートを買うまで買っていません。その間に会社でLibretto SS1010を買って使いましたが。その次にレッツノートのCF-Y2、そして会社でCF-Y5を買って、VAIO-TZと、たったこれだけなのです。レッツノートは基本的にお気に入りで、軽さ・バッテリーの持ち・丈夫さがポイントだとおもいますが、Yシリーズは高解像度 (1400x1050)もたまりません。プログラミングでは一度に縦にたくさんソースが見渡せるのはとても便利なのです。VAIOはバッテリーがすぐに駄目になるという噂を多く聞き、確かに社内のメンバーや私の母のノートPCもそうだったのと、作りが弱いという噂も多く、あまり興味がなかったのですが、レッツノートは意外と厚みがあり、さらにYシリーズ以外は解像度がなかなか高くならないのが不満で、VAIOに魅力を感じてきたのでした。まだまだ信頼性などはわかりませんが。

 執筆はVAIO-TZにVMWare Serverをインストールし、そこでCentOSを立ち上げて書いています。VMWareは1.8インチのHDDでは起動がかなり遅いのが残念なのと、ブリッジのネットワークが上手くいかない点以外はまずまずきちんと使えています。CF-Y5にVMWare Serverを入れるとマルチドライブが一切読めなくなる問題でびっくりしましたが、VAIO-TZは大丈夫です。おかげで毎日帰りの特急で執筆は捗り、まあ、何とか仕上げられるかな、と楽観しているところです。

 ザウルスも非常に面白く、特に組み込みLinuxと同じような楽しみがあり、さらに液晶モニター・キーボード・マウスがついているようなもので、本格的にLinuxプログラミングで遊ぶこともできます。さらにOpenBSDを入れれば生粋のBSD環境も楽しめます。執筆が進まなくなるので最近はあまり触らないようにしていますが・・・。

 VAIO-TZは結構なお値段で(RAMを2GBにしましたし・・・)、レッツノートもあるじゃないか(Y2は液晶をオークションで仕入れて自分で直しました)、というところなのですが、執筆する気になるためにはやっぱり清水の舞台から飛び降りるような決意が必要で、出版契約を結ぶことと、VAIO-TZを買うことで飛び降りてみたところです。何事もまずは道具から・・・でしょうか。

2007.8.8

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from 2007/1/13