取り組み方

先日、大変お世話になっているお客さんと飲みに行く機会があり、とても参考になるお話や、書籍の紹介などもいただき、とても有意義な時間をすごせました。仕事でお付き合いのある方はたくさんいますが、その中で人として尊敬し、今後について語り合いたい人となるとそう多くはありませんが、その中の一人です。私より年上の方ですが、とてもバイタリティがあり、ビジネスも技術も妥協なく追い求める姿はとても刺激を受けます。

さて、その方との雑談の中で、子育ての話題が出ました。その方は3人のお子様がいらして、いろいろと参考になるお話を聞けたのですが、最近子育てで話題になっているのが、私立中学に行かせるか?という話題です。ゆとり教育の悪影響で公立中学の荒廃ぶりはひどいらしく、いろいろな方から昔の公立中学と同じだと思うとひどい目にあう、と忠告をいただいていたのですが、その方の意見は珍しく異なり、公立中学でもいいのだ、ただ、うちはこうしたのが良かったよ、とお話いただきました。それは「中学の間に海外ホームステイを経験させること」です。上の二人は町が主催するホームステイに参加できたそうですが、3人目は町が市に組み込まれ、ホームステイに落選してしまったそうですが、上の二人の様子を見るとどうしても行かせなければ、と、自ら旅行会社のホームステイを探して、費用は高かったそうですが参加させたそうです。そのツアーは小学校高学年から高校生までの年齢幅で、英語の力によってクラスわけし、現地ではさらに各国から集まった子供たちで一緒に生活・勉強をするのだそうです。帰国したときにはある程度コミュニケーションの自信を持ち、また何より自ら勉強するようになったそうです。きっとコミュニケーションの楽しさを実感したのでしょう。すばらしいことです。高い旅費ではあったが、何年も塾に通わせることを思えば安いものだと思うと仰ってました。

教えていただいたお礼に、というほどではないのですが、私も子育てで一つ方針がありますよ、とお話したのが、初めてチャレンジすることへの取り組み方です。子供たちは幼稚園くらいから、初めてのことにチャレンジする機会がたくさんあります。私の子供が通っていた幼稚園は何でもやらせる幼稚園で、運動会には鼓笛隊、部活動としてサッカーやバトン、合気道、と、小学校以上という感じでした。子供たちが初めてのことにチャレンジして、最初から楽しくて前向きにやるということは滅多にありません。大抵は、つらい、面倒、面白くない、と不満を言い出します。私はそのたびに子供に言っていたのが、「楽しいかどうかは、本当にできるようにならないとわかるはずはない。やめたいという言葉は、1番上手くできるようになってから言いなさい。」ということです。

1番上手になって面白くないということは滅多にないものです。人より上手にできてほめられて、それで嫌なわけはないのです。楽しくなり、好きになれば、あとは放置しておいても自分で進んでやるようになります。

最近は子育てで甘やかしすぎの親が多いといわれています。嫌だといえばすぐにやめさせ、子供のご機嫌ばかり気にしている親が多いそうです。子供が小さい間はそれでも良いのかもしれませんが、やめ癖をつけてしまうと、子供は苦しくてもやり遂げるということをしなくなってしまいます。結局その子供にとって良いことではないのです。今がよければ、ではなく、子供の将来も考えて育てていかねばなりません。子供はペットではありません。

社会における後輩の指導も同じだと思います。仕事の本当の楽しさは一人前にならなければわかるわけがないのです。途中で投げ出さないように、道を教え、厳しく指導しながらも、楽しさを見せていくことが大切なのではないでしょうか。

2008.2.4

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from 2007/1/13