RICOHFLEX million

 先日妻の実家に遊びに行ったときにお義父さんがいきなり「リコーフレックスが出てきたよ!」と。私は何のことかさっぱりわからなかったのですが、若い頃に使っていた2眼レフが片付けをしていたら出てきた、ということでした。早速チェックすると、シャッターはまさに油切れであるが、何とか高速シャッターは切れるときもある。絞りはOK。ピント調整は固まっていて動かない。その他、上の写真のようにかなり全体に汚く、ファインダーも汚かったのですが、こういう物こそいじりがいがあって楽しいものです。お義父さんに分解整備の許可をもらって、持ち帰りました。お義父さんはフィルム(モノクロ)まで早速買ってました。カメラの中には数十年前のフィルムも入っていましたが、これまたボロボロ。

 元の状態です。フィルム巻き上げノブもなんか変な動きです。皮のケースもありましたが、前部が無く、縫い目がほどけてぼろぼろでした。せっかく作りは良さそうなのですが。
 銘板です。本を探したら、ほぼ同じ形でシンクロソケットが無い写真で、millionではなく、他の名前のものがありました。わずかな仕様違いで何種類か作られたのでしょうか?
 なお、距離表示はフィートです。アメリカ向けなのかな?
 ファインダーカバーを外してみました。ミラーはガラスに蒸着してあるのですが、とても鏡には見えません。せいぜいアルミ版、という感じでしょうか。ここは掃除をしてもそれほど差は出ませんでした。
 前部を外したところです。さすがにシンプルで、まさに箱です。これくらいなら自分でも作れそうなレベルです(金属では無理でしょうけど)。シンクロ用のコードが見えます。
 ヘリコイドが固まって動かない状態でしたので、とりあえず分解したところです。レンズは多少黴ていますが、なかなか奇麗です。ヘリコイドのグリスは白く固まっていました。
 シャッターを開けてみたところです。見覚えのある感じだと思ったら、ボルシーとそっくりですね。3本のレバーはしたから、シャッターチャージ・シャッター・セルフタイマーです。スローシャッターとセルフタイマーは油切れでした。
 シャッターのアップです。なんで今回はこんなに写真がたくさんあるかというと・・・ついに自腹でデジカメを買ったのでした!
 ちょっと熱中して写真が飛んでしまいましたが、いきなり、整備完了状態です。金属部分はすべてリューター+ブラシで磨きだし、錆を落としました。元々の素材はなかなかしっかりしているので、致命的にさび付いたりしていませんでした。シャッター・セルフタイマーも復活し、レンズも奇麗にしました。ファインダーもミラーはいまいちですが、スクリーンはがんばって奇麗にしました。すりガラスなのでクリーニングも簡単です。
 巻き上げノブはやはり変でした。なぜか固定しているネジ3本が無くなっていました。一般的なサイズのネジでしたので問題なく直せました。
 リコーフレックスの特徴として、ファインダーのおまけがあります。ボディ後ろ側から覗き穴があって、ここから片目で覗くと、前部にあるスリットを通過した光によるフレームが見え、もう片目で普通に被写体を見て、両目合わせると、被写体にフレームが重なって見える仕組みです。と本で読んでやってみましたが・・・とても使う気にはならないかなぁ・・・。
 レンズまわりもピカピカ。レンズはおそらくトリプレットで、8cmF3.5で、コーティングされています。
 せっかく直った(?)ので試写してみようと、フィルムを入れるところです。
 お義父さんが買って準備したネオパンSSを使ってみます。まずは巻き上げノブを引っ張ってフィルム装填部を取り出します。
 フィルムををセットし、ボディに入れ込んだところです。スタートラインが見えていますが、リコーフレックスでは巻き上げに関しては全くなんの機能も無く、ただノブがぐるぐる回って巻き上げるだけです。
 どこまで巻くかは、ボディの裏にあるこの窓から見ながら巻き上げます。1という数字が見えますでしょうか?ここは閉じておくことが出来ますので、巻き上げたら閉じるようにして使うのでしょう。

 2眼レフは実ははじめて手元に来たのですが、さすがにこれだけクラカメをいじっていると特に違和感は感じませんでした。ただ、ファインダーが暗いので、ピント調整・フレーミングは非常に困難でした。試写結果が楽しみです。
 お義父さんの若い頃の写真も見せてもらいましたが、やはり白黒しかなかった時代の白黒プリントはローコントラストで滑らかで奇麗です。ベタ焼きがほとんどでしたが、味のある写真ばかりでした。

 試写の翌晩、シャッターを切ってみると・・・なんと動きません。注油しすぎたみたいで、オイルがシャッター羽根に回ってしまいました。素人らしい失敗で、実はボルシーB2でも同じ失敗をしているのです。分解しないでエーテルでこまめに掃除するとなんとか使えるのですが、今回はお義父さんにも修理を自慢したかったので、思い切って分解清掃することにしました。

 シンクロ用のコードを半田でボディ側から外し、シャッターユニットをおろしたところです。左には絞りだけが残った状態です。実はシャッターユニットを左のものからおろすのに、2つのネジはすぐに分かったのですが、もう1つがなかなか分からず、苦労しました。

 シャッターユニットを裏から見たところです。シャッター羽根にオイルがついているのが分かります(写真では良く分かりませんね)。
 シャッターユニットの裏の板を外したところです。これでシャッター羽根がむき出しになります。珍しく手が写っていますが、ある部品を押さえていないとぽろりと取れてしまうのです。作業の後半はそこをナットで止めて行いましたが。
 上の写真の状態では実はシャッター羽根は乗っかっているだけで、指で触れるとぱらぱらと取れてしまいます。上の写真をデジカメで記録しておいて良かったです。羽根の順番などが分からなくなってしまいますから。もっともこの場合は順番はあまり関係ないみたいですが。

 結局全部羽根を取り、奇麗にアルコール・エーテルで掃除し、ユニット側も余分なオイルを拭き取りました。

 初めからオイルを少な目にすれば良かったのですが、ついつい1つしか持っていなかった注射器をオイルに使うのがもったえなくて他の道具で注油してしまったのが失敗の原因です。早速注射器はあと2本買ってきましたが。安い道具にけちってはいけませんねぇ。

 ついでに痛んでいたシンクロ用のケーブルも交換しました。こういう時に写真に写っているスペーステクニカルソルダーが便利で、ステンレスでもフラックスを使わずに半田付けできる便利な物です。ちょっと量のわりに値段が高いですが。ケーブルは本当はオーディオ用のベルデン製を使おうかと思ったら一番細いのでも太すぎて駄目でした・・・。
 元どおり組み上げたところです。夜なのでピント調整はしていませんが。SB-28を使ってシンクロのチェックも行いましたが、問題無しでした。シンクロは一般的なソケット経由でも、アクセサリーシューのホットシューでもOKです。しかし、アクセサリーシューにストロボを付けると、なぜか前から挿入するようになっているので、ストロボが後ろを向いてしまいます。SB-28のように首が回転するタイプ以外は使えませんね。

 さて、実際に撮影してみた結果ですが、作品集24に載せたように、実に見事。周辺はあまいものの、なかなかシャープでありながらやさしく、白黒にピッタリです。ファインダーが暗く、もちろん左右逆像なのでフレーミングが大変難しいのですが、大変気に入りました。


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ipv400044943 from 1998/3/4