CONTAX RTSU(売却)

 RTSではなく、今回はRTSUです。RTSは大のお気に入りとして、愛用しているのですが、やや重たいので139Qあたりを探していました。が、特に不満なわけではなく、最近ちょっとオリンパス関連に集中していたので忘れていました。が、久々に高田馬場の中古屋さんに行ったところ、この店では扱っていないはずのCONTAXのカメラが値札も付けづに置いてありました。聞いてみると、ペンタ部がちょっと歪んでいる、ということで、値段をつけられないということでした。この店では委託品は扱わず、責任の持てる商品を扱うというポリシーがあるようです。もっともそのおかげで、コニカFTAのように大して問題があるほどでもないのにジャンク以下の値段で売ってくれたりするありがたいお店でもあります。
 見せてもらうと、確かにちょっとペンタ部は歪んでいますが、なかなか綺麗で、ちょっといじった感じでは何も問題が無いようでした。で、お値段はなんと1万5千円(税込)ということで、もちろんGETしてしまいました。

 RTSUはRTSの後継機で、外観はそっくりなのですが、内部は全く別者で、ディジタル化された制御や、フレキシブル基板化、シャッター幕のチタン化、1コマ目まで1/60で落ちる、など、内面的な改良や、AEロック、セルフタイマーの電子化、電源レバー追加、TTL調光ストロボ制御、ファインダーシャッター、緊急用メカシャッター、バルブ用ソケット、シャッター速度ダイアルのロック、電池ブタの無料化(?コインを使わないであけられる)、露出補正の細かいクリック、など、とにかく、使い勝手やデザインはそのままに細かな改良がされています。個人的には、シャッター速度ダイアルのロックはかえって使いにくくなった気がしますが、1コマ目まで1/60で落ちる点と、AEロックは本当にありがたい改良です。

購入したものです。元箱付きですが、まあ、私としてはどうでも良いです。ケースはとてもいい色合いの渋いケースなのですが、塗装がボロボロです。同色のストラップもありましたが、これもボロボロ。昔のカメラのケースは本当に立派です。

早速分解しています。左がRTSで、右がRTSU。中身は全く別物だということが良く分かると思います。

軍艦部をあける手順はRTSとほぼ同じでしたが、若干こちらの方が分解・組み立てを繰り返しても傷がつきにくくなっています。

RTSではペンタプリズム周囲にウニョウニョとリード線が這いまわっていましたが、RTSUではごらんのように基本的にフレキシブル基板がメインです。

なお、アクセサリーシューへの配線はスプリングで接するようになっていて、これまた分解調整に実にありがたいです。

露出計が1段ほどアンダーでしたので、はじめはフィルム感度設定を変えて使おうかと思ったのですが、RTS、RTSUの場合、ISO100で一番美しいダイアルの位置になるので、やっぱり元から調整しました。3つある可変抵抗のうちの一つが露出のオフセットです。もう一つはバッテリー電圧低下時にファインダー表示が点滅になったり、電源が切れるための閾値用のようで、もう一つは不明です。最後の一つだけ固めてあったので、重要なものなのでしょう。

露出計は2台で同じ感じになるように調整しました。RTSは他の手持ちのカメラに比べるとややアンダー気味ですが、リバーサルにはちょうどいい感じで気に入っていましたので。

2台を並べてみましょう。こういうことをしているときが一番幸せな気が・・・。

正面から見ると、セルフタイマー、AEロック、シンクロソケットの位置、シャッターダイヤルの幅などが違います。が、ミラーボックス内などほとんど同じ部品は見当たりません。

実は・・・、RTSUには致命的な問題がありました。なぜかミラーが長いのです。レンズ後部にぶつかり、そのままでは使えませんでした。リューターで両サイドを削り、使えるようにしましたが。ミラーだけ交換したのかな???

まあ、店でもレンズは単品で売れちゃった、と言っていましたが、この問題があったからレンズだけ買っていったのかもしれませんね。

上から見たところです。RTSUはペンタ部がちょっと歪んでいましたが、このときのために100円ショップで買っておいた、プラスチックとゴムのハンマーで綺麗に元通り。

軍艦部では、電源スイッチ(露出補正ダイアルの下)、バッテリーチェックの省略、シャッターダイアルも1/15のところが出っ張りました。また、X接点用の位置も専用で増えています。

巻き上げレバーは初代の方が好みです。2代目は分割巻き上げ可能ですが、ラチェットの間隔が意外と広く、初代はどこでも引っかかるのに比べると不満です。巻き上げ自体は2代目の方が軽いです。全体的に初代の方がしっとりした感じで操作感はいいかもしれません。シャッターも布幕からチタンに変わったためか、音が甲高くなった気がします。

シャッターボタンはより軽くなった感じですが、測光ボタンはバネっぽくなってちょっと不満です。が、RTSは押している間だけONでしたが、RTSUはタイマーがつきました。

裏から見たところです。メモホルダーの有無と、ファインダーシャッター、シャッターダイアルロックボタン、バッテリーチェックボタンが違います。また、巻き上げレバー下にある、レリーズ用ソケットは2台で異なります。RTSのページに出ているケーブルのアダプターを外した状態でそのまま使えるタイプで、ねじ込みです。

RTSU QUARTZと書かれていますね。

なお、RTSの貼り皮はオリジナルではありません。オリジナルはボロボロでしたので。RTSUの物は多少丈夫になったそうですが、ソフトな感触は良いとしても滑りやすいです。整備中、2回も滑って絨毯の上に落としましたから。

リアルタイムワインダーは初代のものも使えます。が、シングルモードにならないみたいです。

巻き上げ自体が軽くなっているためか、ワインダーを使っても軽快な感じです。

 ファインダー内情報も同じレベルで表示されますが、より電子化が進みました。マニュアル時の使いやすさでは初代の方が分かりやすい感じです。ファインダーの見え具合自体は2台目の方がやや明るく、はっきり見える感じです。RTSVは一気にモードラ内臓で大きくなってしまいましたが、この2台は本当に良心的に改良が進められた感じですばらしいです。

 結局今のところ、このRTSUの機能的な問題は、露出計が1段アンダーであった点と、ミラーが長かった点だけで、この値段ならお買い得でしょう。しかし、RTSとRTSUの2台を持つ意味は全く無いですねぇ。ほとんど同じですから。まあ、2台ともかなり安くGETした関係で、信頼性には不安があるので・・・。

 調整後、早速試写しました。結果は作品集40に載せました。ちょっと露出計の調整がアンダー過ぎたかもしれませんが、シャッターなど全く問題が無く、ほっとしました。描写はいつものプラナーで、安心して結果が期待できます。

せっかく渋いケースとストラップがついてきたので、修理してみました。上のほうの写真にあるように、皮の表面の塗装がひび割れていたりして、ボロボロの状態でした。

ちょっと色合いが変わってしまいましたが、完全に表面をコートしてしまうタイプの皮専用塗料を使い、それでも茶系統に、黒のラインがどうしても再現したかったので、かなり苦労しました。8回塗りです。なかなかひび割れたところが完全にカバーできませんでした。

塗料などです。一番右にあるのはコバ用の塗料で、白いビンが塗料、後ろの着色ビンがクリーナーで、ベンジンのようなシンナーのような強烈なにおいです。これで汚れを落としてから塗装します。

色は一応黒・薄茶・紫を混合しましたが、赤を使った方が元に知覚できたかもしれません。まあ、こんなもので1つ1000円もしますので・・・。この塗料は水性で、木工用ボンドのようなものでしょう。下地がほとんど出ないほど隠ぺい力が高く、筆などの手入れも楽です。筆もたくさん使っていますが、黒のラインを無視すれば太目のものだけでOKでしょう。模型作りの道具が揃っているので、便利です。

皮の下地を活かしたいときにはM3のページのファインダーケースの手入れなどの方をご覧ください。

ぶらぶら中古屋さんを見ていたら、RTSU用のスクリーンを見つけました。私の好きな方眼マットでしたので、すぐにGETしました。うれしい!

気を良くして、スクリーンのページを作ってみましたので、どうぞ。


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