minolta SRT101(売却)


ペンタックスMX+タムロンSP90mmF2.8+SB28天井バウンズで撮影


DC260(デジカメ)+SB28天井バウンズで撮影

 質屋で難ありでGETしたミノルタSRT101です。難あり、はミラー不調で、クイックリターンしないのが問題でした。それ以外はボディにへこみがあったり、露出計などもおかしかったですが、最終的に直せなかったのは、ミラーのクイックリターンでした。なんと、プラスチックのギアが使われていて、それが欠けていたのでした。おそらくミラー関連がおかしくなったときにそのギアが割れることで他のメカを保護するためだと思うのですが、これは代わりの部品を探さないと・・・。

 さて、ミノルタは実ははじめてなのですが、個人的な思い出としては、中学か高校の頃、カメラが欲しくてカタログを眺めていた頃、キャノンのA-1とミノルタのXDが候補に上がっていて(予算も何も無く、ただ欲しいと思っていただけなのですが)、両方ともシャッター・絞り両優先が売りで、その時使っていたキャノンRMからやっぱりA-1が良いか、と思っていましたが、XDのデザインも気に入っていたのでした。その後、カメラ熱が冷めている頃に、α-7000でAFの一時代を築いたようですが、その頃は全く興味が無かったのでした。カメラ熱が復活してからはCLEなど、ライカMマウントでAEは良いな、とか、ミノルタのAFカメラはなんかいまいちかな(デザインとかが理由だったりしますが)、とか、APSは何でマウントが違うの、とか、気に入らない点が多かったのですが、最新のα-9なんとか(忘れました)のファインダースクリーンだけは見やすいと思っていた程度で、あまり縁が無かったのでした。

 そんな中、CLE用の28mmは凄い、とか、レンズは良いらしいという話しを耳にし、興味はあったのですが、その興味を決定付けたのはやはりメールフレンドの斎藤さんのSRTスーパーとSR-1Sのページを見て、作りの良さを感じたからでした。まあ、本当は昔あこがれたXDとかも良かったのですが、やはりフルメカニカルのSRシリーズが気になっていたら、質屋の店先で5900円のこのカメラを見つけてしまったのでした。

 分解して見れば、やはり昔のカメラらしく、実に手の込んだ作りで、一気に気に入ってしまいました。雑誌で見たときは変なデザインと思っていたペンタプリズムカバー部分も本物を見るとなかなかエレガントな(?)デザイン。露出計も直ったので、かなり実用的です。レンズも繊細で良い描写です。


正面から見るととてもエレガント


軍艦部もすっきりしたデザイン(ペンタ部をへたくそにたたき出した後が見えますが・・・)

 軍艦部を外したところです。一眼レフとしてはかなり軍艦部を外すのは簡単な方です。ペンタプリズムの上に前後2つのCSDがあり、これによりCLSを実現していますが、実はただ単に2つのCSDを直列につないであるだけです。マルチパターン測光のはしりです。

 ペンタプリズムのカバー部分がへこんでいたので、裏からたたき出して何とかそれらしく修正しました。

 後ろから見たところです。一番特徴的なのは、シャッター・絞りと露出計の連動を糸で行っていることでしょう。これは実物を見るとびっくりするくらい複雑な経路をたどり、一度外してしまったらおそらく戻せないでしょう。レンズマウント部の絞り連動部分まで糸は到達しています。
 そこから見たところです。ここにミラーの制御部分があるのですが、アイボリーのプラスチック製のギアが欠けていて、おかげでミラーがクイックリターンしませんし、絞りも開放に戻りません。巻き上げると復帰するので、まるでエキザクタ。まあ、巻き上げて戻るだけ親切な作りでしょう。なお、露出計の電池はH-Dタイプで、ローライ35Sや、キャノンF-1と同じです。もちろん、アダプターを使って現在の電池でもOKです。なお、写真の左端の可変抵抗で露出計の調整が出来ます。

 レンズマウント部分に飛び出ているのは絞り込みレバーで、押しているあいだ絞られるのではなく、押すごとに絞り込み・開放が切り替わりますが、シャッターがチャージされていないと駄目です。

 まいかいカメラボディを増やすたびに困るのが、示度補正レンズです。今回はミノルタ純正のα用をとりあえず買ってみたところ、なんとうち側にはめるタイプ。これははじめてです。ちょっと大きかったので、カッターで細工したらバッチリ使えました。

 60年代のカメラが3台になったので、並べてみました。キャノンRM、ミノルタSRT101、ペンタックスSPの3台です。

 こうやって見るとキャノンの無骨なデザイン・ペンタックスの普通のデザイン・ミノルタのエレガントなデザインという感じがしませんか?

 

 マウント部分を見るとやはりFDマウントが一番大きな開口です。フィルム圧版の大きさの差が大きいのが面白いです。ミノルタが一番大きいです。大きい方がフィルムが安定する気もしますが、どうなんでしょう・・・。

 

 ようやくジャンクのSRT101を見つけてきました。できれば3000円以内でGETしたかったのですが、4000円・・・。まあしょうがないですね。

 左の値段シールが張ってあるほうが今回仕入れたジャンク品です。かなり汚いです。店ではミラーがクイックリターンすることだけをチェックして買ってきました。
 せっかくなので、2台の比較でも・・・。もともと持っていたほうはシリアルが160万台で、ジャンクのほうは220万台で、かなりジャンクのほうが新しいものです。細かく見ていきましょう。

 まず、すぐに気が付くのが、ネジです。古いほうはほぼすべてマイナスネジですが、新しいほうはプラスネジです。マイナスのほうが見慣れているのは古いカメラばかりいじっている証ですね。

 上から見たところでは、フィルムカウンターの表示も異なっています。古いほうがシャープでカッコいいです。

 では、肝心のクイックリターンの故障を直すべく、そこを開けてみました。上がジャンクです。なんと汚いことか・・・。しかし、よく見ると汚いだけではなく、塗装の手抜きが見えます。古いほうはブラック塗装は下の面には全くきていないのですが、ジャンクのほうはかなりスプレーで飛んできています。マスキングをしていないのでしょう。性能には関係ないかもしれませんが、ちょっと手抜きですね。
 さて、肝心の壊れている部品です。上が壊れているほうで、プラスチック製のギアがかけているのがわかります。これがかけているためにクイックリターンしないのです。

 ところで、ここを見ただけでもネジが2箇所プラスになっていますね。露出計用の配線の引き回しもかなり違います。なお、ジャンク品は露出計不良、とかかれていました。

 問題のギアを取り出したところです。よほど割れやすかったのか・・・材質が変わっていました。古いほうは普通のプラスチックという感じで、硬いですが、かけやすい材質のようです。新しいほうはナイロンか何かで、ある程度弾力性がある感じです。
 ギアを交換し終えたところです。見事にクイックリターンするようになりました。こんなギア1枚に4000円も出したのかと考えると・・・ですが、修理に出すと1万円以上はかかりますし、ほかにどこか壊れたときに部品取りになりますし、分解して遊んでいても楽しいのでいいでしょう。
 せっかくなので、もう少し新旧比較を。セルフタイマーを良く見てください。形状もちょっと違うのですが、つくり自体がかなり違います。古いほうはピシッとシャープな感じですが、新しいほうはなんかボテッとした感じで、いまいちです。

 また、マウント部のネジもプラスに変わっていますね。

 もう少しじっくり見ると、フィルム巻き戻しノブが・・・プラスチックになっているじゃないですか。指にやさしく、という考えもできますが、やっぱりコストダウンでしょうか。
 さらに、フィルム圧版を見ても、下の新しいほうは2箇所で固定しているピン(?)がシルバーのままです。古いほうはきちんと黒く塗られています。

 全体として新しいほうのコストダウンのための手抜きはかなり多く見られました。本当は軍幹部カバーもきれいになれば交換しようかと考えていたのですが、SRT101の文字の掘り込みなどもぜんぜん浅くてちゃちな感じなのです。SRT101はかなり長い間製造されたのですが、こんなに変わっているとはびっくりしました。

 まあ、いずれにしても1台、まともなSRT101が出来上がったので、どんどん使おうと思います。そのためにはまず、交換レンズでも・・・。

 

 結局、部品を取られたほう(ジャンク)もかわいそうなので、お掃除しました。外装関連は超音波洗浄した後、磨いてみたのですが、ワイヤーブラシを使ってもメッキ自体がいたんでいるのであまりきれいにはなりません。
 ファインダースクリーンなどは汚れていただけなので、プリズムをどけて簡単にきれいになりました。
 下がジャンクですが・・・がんばってきれいにしてもやはり外装のメッキの傷みは歴然としています。そもそもメッキの質が古いほう(上)が良いような気もしますが。
 同じ形式のボディを2つ所有するのは初めてですが、なかなか自己満足に浸れるものです。部品を取られたジャンクの方もせっかくこの世に生まれてきたものなので、捨ててしまったりせず、大事に扱いたいと思います。

よろしければブログもご覧ください
ゴルフ練習場紹介サイト:ゴルフ練習場行脚録更新中!
ipv400007101 from 1998/3/4