有馬記念予想


 

 今年も残すところ1週間。今年最後のG1は予想させてもらいます。

展開

 ハイペースで逃げそうな馬の見あたらない今回、まずペースを握りそうなのはセイウンスカイ。比較的スローな流れで上がりを35秒そこそこでまとめる事が出来るため、一番人気はいたしかたないか。何かのアクシデントでかかってしまう馬がいない限りは、セイウンスカイが主導権をにぎりそうだ。かかりそうな馬としては、キングヘイロー、エモシオン、メジロドーベルなどがいるが鞍上もそのあたりの事はわかっているだろうから、今回は考えづらいか。また、注文をつけてセイウンスカイをつぶしにいく馬も今回のメンバーではいないのではないだろうか。当然エアグルーウ゛はセイウンスカイマークで早めの競馬をするであろう。ここで問題なのがペースであるが、おそらくスローな流れになると思われる。スローペースで差してくるのは、メジロブライト、シルクジャスティス、ユーセイトップランあたりか。サンライズフラッグはスローでは厳しいのでは。好位で廻れそうなステイゴールドはスローでの実績にかけることから、一枚割引。昨年の菊花賞上位組のマチカネフクキタル、ダイワーオーシュウは問題無いと思われる。エアグルーウ゛はセイウンスカイよりもきついマークを受けることが予想されるためマイナスとみる。

血統

 父のシェリフズスター、母父にミルジョージを持つセイウンスカイは、近年の競馬界では重い血統とされている。しかし、本馬は持続するスピードとばてないスタミナを合わせ持つ。スピードだけなら軽い血統であるが2つの相反する能力を合わせ持つにはある程度の重さも必要である証明でもある。
 対するエアグルーウ゛であるが、父トニービンの産駒は東京での成績に比べ中山では格段に成績が悪いといわれている。どうやら狭いコースでの器用さ無い事と比較的荒れやすい中山の馬場が原因と思われるが、今回は馬場のそう荒れてはいないようであるし、なんといっても昨年の3着馬である事からいっても、問題はないのでは。ただ同じ父を持つオフサイドトラップ、エモシオンは割引か。
 産駒が4歳になってからの4年間で3勝しているブライアンズタイムではあるが、今回はシルクジャスティス一頭のみの参戦。母父にサンディゴ、近親にメリーナイス。気分屋さんを地でいく血統ではあるためにいつ爆発してもおかしくはない。そのブライアンズタイムと同じ父を持つSilverHawkを父にもつグラスワンダーも一発があってもおかしくは無いが、いかんせん母父がDanzig、母母母父がRaise_a_Nativeでは厳しいといわざるを得ない。
 自身2着があるメジロライアン。今回はメジロブライト、メジロドーベルの2頭が出走する。メジロライアンの父、アンバーシャダイも有馬は制しておりこの距離への適正は十分である。メジロブライトにとっては待ちに待った距離だけに何とかしたいし、何とか出来る距離である。
 今年も好調なサンデーサイレンス産駒。今回はステイゴールド、ビッグサンデーが出走。ステイゴールドの母父はディクタス。いわずと知れたスタミナ血統でありタフさも兼ね備えている。距離と馬場には不安はない。ビッグサンデーの母はキタノオゴジョ。あまり記憶にはないが、たしかマイルあたりで好成績を納めていたような気がする。何はともあれマイルCSからの出走ではこの距離に疑問がもたれる。
 堅実にステイヤーを出し続けるリアルシャダイは、ダイワオーシュウとサンライズフラッグの2頭。この秋は2、3着とやっと調子の戻ってきた感のあるダイワオーシュウであるが、G2での話でありG1ではちょっと足りないか。しかし母父ロイヤルスキーで淡泊ではあるが底力もあるので気がついたら2着という事も考えられる。追い込み一辺倒でここまでのしてきたサンライズフラッグ、最近のリアルシャダイ産駒は追い込みも得意?母父トウショウボーイ、母父パーソロンで正直距離が長いか。
 アブクマポーロが東京大賞典を制し勢いに乗っているクリスタルグリッターズは、マチカネフクキタル1頭の参戦。昨年の菊花賞でも距離云々が囁かれていた馬ではあるが、折り合えば距離はこなせる事は証明済。鉄砲がきかないという方が問題である。名手岡部でどこまで。
 世界的な良血の2頭。英ダービー馬を兄にもつオースミタイクーン。かたやカナダ年度代表馬を母に”キングジョージ”馬を父にもつキングヘイロー。オースミタイクーンは昨年に続く出走であるが、今年は京都記念以降は1600以下のレースにしか使っていない。父LastTycoonは1600までの勝ち鞍しかないことからも今年もいらない。昨年の今ごろはグラスワンダーとともにスポットライトの中心にいたキングヘイロー、父ダンシングブレーブは強烈な末脚でキングジョージを制したが、この馬の場合には強烈な末脚は引き継いでいないようだ。母父Haloは短距離のイメージの強い私にとってはこの距離では長いとみるが。
 過去イナリワンで有馬を制したミルジョージ。今年はユーセイトップランが出走する。母父がネウ゛ァービート、母父ヒンドスタン。重い。しかし、GreySovereignのインブリードを持つ事から気分良く走れば一発の可能性も否定できない。

結論

 展開、近走の内容、血統、どれをとってもセイウンスカイが一枚上手とみる。しかしキャリアが浅いという事で厳しい流れになったときには、他馬の浮上も考えられる。その一番手はメジロブライト。宝塚でのアクシデント以降勝ちに見放されているが、京都大賞典ではセイウンスカイを追いつめている。あのときは挑戦を受ける立場であったが、今回は立場が逆転している。今回がねらい目だ。エアグルーウ゛は昨年ほどの迫力はないとみて無印。逆に狙っておもしろいのがマチカネフクキタルとダイワオーシュウの(昨年の)菊花賞1、2着コンビ。マチカネフクキタルは弱い菊花賞馬の烙印を払拭するためにはここで結果が欲しい。ダイワオーシュウは、的距離をねらい打ちのローテーションに好感。復活を期待のシルクジャスティス、応援しているステイゴールドまで。大穴で小林調教師最後の八大競争となるエモシオン(小林師曰く「タケノベルベットを憶えているかい?あのときも滑り込みで出走だった」・・・「憶えています。はい。かわしていただきます。・・がんばれみっきー!」)
 


 

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