ライカレンズ

ライカレンズ作例

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ライカL レンズ

Elmar 50mmF3.5

 VbをGETした際に付属していたレンズです。ライカ純正のLマウントはこれか初めてなのでした。1939年製と思われます。なんとなく1面にグリーン系のコーティングがあるような気もしますが、おそらくノンコーティングでしょう。メートル表記です。絞り系列はごらんのように古い形式で、露出計との相性は悪いですが、バルナックライカのシャッター速度も古い系列なのでどうせ露出計の値をそのまま設定できません。沈胴部分は傷が多く、磨きを入れましたがピカピカとはいえません。レンズはなかなか綺麗な状態です。絞り羽根は10枚あり、見事な円形絞り。エルマーは最初期以外はなぜか50mmではなく、5cmと記されています。ロシア製のインダスターと比較すると、沈胴部分の長さがエルマーの方がちょっと短いです。また、指かけの部分の長さがちょっとインダスターは長いので、Vbに装着するときにはスローシャッターダイアルとぶつかり、ちょっと工夫をしないと装着できません。M型ライカにももちろんアダプターを使って装着できますが、やはりバルナックにつけたほうがぴったりな感じです。
 描写はそれほどシャープではない感じですが、ボケも綺麗で、ローコントラストなので、全体としてやさしい感じの描写です。

Elmar 90mmF4(売却)

 Vb用に他のレンズも欲しくなったのですが、どうせなら同じ時代のレンズが良いかと、まずは戦前のエルマー90mmF4をGETしてみました。レンジファインダーのライカレンズでは望遠系は人気が無く、どのレンズも大抵安いのですが、特にエルマー90mmとヘクトール135mmは安いのでした。このレンズは2代目のエルマー90mmで、黒塗装が渋く、この後、戦後になってからクロームタイプも同じようなデザインで登場しています。ノンコーティングです。絞り羽根は16枚ほどあり、滑らかな円形絞りです。絞り表記は上の50mmと同様、古い系列です。買ってから良く見てびっくりしたのが、鏡胴の絞り・深度表示で、文字や線がなんと象嵌なのです。へこましてインクを入れてあるのではないのです。非常に手間のかかった作りです。
 安かったので、1枚目のレンズの表に傷があったり、裏側が曇っていたりします。3群目は分解できたのですが、1群目は取れませんでした。まあ、このまま使ってみることにします。
 撮影結果を見ると、やはり曇りの影響がかなりあり、ソフトフォーカスレンズみたいになります。どなたか1群目の外し方をご存知の方、教えてください。

 Vbに装着した状態です。イマレクトファインダーもつけ、実に仰々しいのですが、90mmレンズとしては非常にコンパクト(特に太さが)です。が、重さは結構重たいです。

 M3にエルマリート90mmF2.8をつけたものと並べるとコンパクトさが良くわかります。重さもかなり違います。やはりM型にはM型用のレンズが似合うものです。

 エルマリートは現行品で、フード組み込みなのですが、やはりちょっと短い感じもします。エルマーにズームフードをつけたものの方がこのようにかなり長くなります。もっとも口径が違うので単純に比較は出来ませんが。

Summarit 50mmF1.5(売却)
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 ついつい非常に安かったので買ってしまったズマリットです。レンズにまたまた曇りが多少あります。これまた分解が非常に困難で、まだクリーニングできていません。おそらくここを外せば、と言うところは分かっているのですが、工具の問題でまだ開けられません。ヘリコイド部分だけ整備しておきました。
 ズマリットはシュナイダーと手を組んでリリースしたクセノン50mmF1.5の後継レンズで、ガラス材などが変更され、性能が向上しているそうですが、ライツは初期の頃、大口径レンズと広角レンズに関してはツァイスに遅れを取っていたらしく、このレンズも絞りを開けた状態ではあまり良い評判はありません。
 しかし、ごらんのように実に美しいレンズで、ローレットの加工などはこの後の時期のものに比べるとシンプルですが、光沢部分と梨地部分がうまく組み合わされ、重さも結構重たいですし、絞り羽根枚数も15枚(だったかな?)くらいあり、見事な円形絞りです。試写結果はまだ上がってきていません。

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 Vbよりはだいぶ後のレンズなのですが、もちろん使うことはできます。ただ、レンズが重たいのであまりバランスは良くありません。

 ラッパ型の安い汎用フードを買ってみたのですが、バルナックに使うとファインダーが見事にけられてしまいます。やはり純正の切り欠きのあるフードが良いのでしょう。

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 M3の登場した時点ではMマウントですが、ズマリットが大口径標準レンズとしてまだ現役でした。さすがにデザインもバッチリ合います。ただ、スクリューマウント時代のレンズは距離目盛がちょっと向かって右にオフセットしているので、やや違和感はあります。

 重量バランスとしてはこちらはちょうど良いくらいでしょう。こちらはラッパ型のフードを使ってもファインダーはそれほど蹴られません。


ライカM レンズ

Summaron 35mmF2.8(売却)

 M3を購入した際にどうしても眼鏡つきのレンズが欲しく、ズミクロンやズミルックスの35mmは高かったので、ズマロン、でもズマロンでもF3.5はちょっと普段使うのに暗いのでF2.8のズマロンをGETしました。世間ではズマロンはF3.5の方が描写が優れている、という噂もありますが・・・。
 購入した際に無限円の距離計像がずれるので、すぐに修理してもらったのですが、カムに薄い金属片を付けて無理矢理無限遠だけ合わせて戻ってきました。これでは近距離がずれます。もっとも35mm程度ではたいした問題ではないのですが、結局自分で金属片を剥がし、眼鏡の方を調整して直しました。ついでに眼鏡のカビも奇麗にしたかったのですが、ガラスが接着されているところがあって出来ませんでした。ライカでは眼鏡は修理ではなく、交換するようです。
 同時期のズミクロンと同じデザインの立派な鏡胴で、無限遠ストッパーのパチン、という音もマニアにはたまらないようですが、いずれにしてもこの時代のライカレンズはお金がかかっています。レンズマウントも別部品ではなく、鏡胴ベース部分といったいで削り出しです。
 肝心の描写は、絞り開放ではやや甘く、ちょっと絞ると断然シャープになります。ボケは周辺でそれほど綺麗ではない気もします。歪曲もちょっとありますが、同じスペックのロシア製ジュピター12と比較すると少ないです。逆光には弱いので日中はフードを使ったほうが良いでしょう。F5.6程度に絞り、晴れた日に使うと実にハイコントラストでびっくりする反面、薄曇りなどソフトな光で絞りを開けるとふわっと写ったりもします。もともと個人的に広角レンズは苦手なので登場回数が少ないのがかわいそうなのですが、その割にはやっぱりズミクロンが欲しかったりもしています。実用面ではやっぱり眼鏡は邪魔です・・・。また私のものは眼鏡自体がちょっと汚いのでファインダーの見え具合もいまいちです。

Elmar-M 50mmF2.8(シルバー)(売却)

 M3を購入したらやっぱり携帯に便利なエルマー50mmF2.8が欲しくなったのですが、中古でも意外と値段が高く、銀座のレモン社で限定特価販売の新品エルマーを購入しました(中古より安い?)。このエルマーは昔のエルマーと違って直進ヘリコイドという点が便利ですし、重量も245gもあって(ブラックは170g)金属の固まりという感じで持っていて満足感のある物です。昔のエルマーとはピントリングの形が違う点が外観上の大きな差で、ピントあわせはこちらの方が行い易い気もしますが、フードをはずした状態で沈胴させると引き出すのが大変です。レンズ設計も違うようですが、3群4枚構成のテッサータイプという点は同じです。ただ、絞りの位置がボディ寄りになった(オリジナルのテッサーと同じになった)のと、絞り羽根の枚数が減った点は大きな違いです。実物を見るまでは昔のタイプの方がかっこいいと思っていましたが、こちらもなかなかのルックスです。レンズはディープパープルのコーティングが奇麗です。フードも付属していますが、長さが短い気もしますが広がりが無いのでこんなものでしょうか。ただ、フードをつけてもキャップ(金属製)がかぶせられるのは便利です。金属製のキャップはズマロンのものと比べるとプレスが浅く、ちょっとちゃちな感じですが、外れにくくするような工夫は多少されているようです。5年も保証がつきますし、やっぱり新品は良いですねぇ。沈胴は携帯には便利ですが、いざ撮影、と思うと引き伸ばす手間がかかり、速写性は落ちます。50mmF2.8というスペックでこの値段ははっきり言って国産一眼レフレンズを考えると馬鹿みたいに高価ですが、所有する喜びはやっぱり大きいです。もっとも最近ではペンタックスが43mmや77mmのリミテッドレンズなどで金属鏡胴で高値を設定しているので同じようなものでしょう。
 M3との組み合わせでの問題として、せっかく最短撮影距離70cmなのですが、M3では1mをちょっと切るくらいから距離計は連動しなくなります。M2以降なら問題ないのですが。ちょっと残念です。
 使用してみた感じでは、一言で、奇麗に写る感じです。奇麗に色が出て、シャープだけどかりかりしない感じですばらしいです。コーティングが良いのだと思います。さすがに絞り開放では周辺に口径食の影響が見られますが、これだけ胴体が細ければしょうがないでしょう。光線状態を選ばず、いつでも奇麗に撮れる感じです。ズマロンなど古いレンズは当たればすばらしい結果が得られますが、条件によっては(特に逆光)目も当てられませんが、さすがに新しいレンズでは改善されています。大満足です。コントラストもしっかりしており、テッサータイプなのにカリカリせず、自然です。ただ、ズミクロンと比べると繊細さ、細やかさでちょっと負けるかもしれません。

Elmarit-M 90mmF2.8(シルバー)(売却)

 新品のライカレンズも良いぞ、と味をしめた結果、90mmも新品を購入しました。エルマーM50mmF2.8同様にシルバーはボディがすべて金属で、560gの重さがたまりません(ブラックは410g)。フードは内臓式です。エルマーM50mmF2.8はディープパープルのコーティングでしたが、こちらはグリーンのコーティングです。絞り羽根の枚数は9枚で、エルマーM50mmF2.8よりは多いですが、昔のレンズに比べるとさみしいです。が、F22まで絞ると真円になるようになってます。ヘリコイドは結構重たいです。キャップは残念ながらプラスチックです。今回は諸般の都合によりレモン社で購入しなかったのですが、正規代理店シーベルの保証は2年。レモン社の5年に比べると短いですね。ズミクロン90mmF2も魅力的ですが、もっと重たくなるのと、35mm、50mmがF2.8で揃ってしまったので90mmもF2.8にしました。ズミクロン90mmF2の最新のものはAPOと非球面レンズ採用でますます値段が高くなるみたいです。
 描写は実に丁寧で奇麗で良く写ります。新しいレンズなのでコントラストもありますし、逆光にも割合強いです。なにより自然なボケ具合とシャープな写りで立体感がある写真が撮れます。実用面で行けばやはりシルバーの560gは重すぎるので、ブラックにしておけば良かった気もしています。購入時点では初代エルマリート90mmF2.8も評判・デザインなど悩んだのですが、このレンズの写りは気にいりましたので、良しとしましょう。

DR-Summicron50mmF2(後期型)
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 ずーっとあこがれていたディユアルレンジのズミクロンの後期型です。ズミクロン50mmには沈胴、固定(前期・後期)、DR(前期・後期)、その他新しい設計のものなどいろいろな種類があるのですが、私はどうしても近接できるDRが欲しかったのでした。前期型に比べピントリングのローレット加工が変わったりしている後期型がデザインまで含めて気に入っています。無限遠〜1mまでは眼鏡なしで普通に使用し、それ以下の場合に眼鏡を装着するとパララックス・距離計をきちんと補正してくれて、50cm弱まで近接撮影が出来ます。一般的な一眼レフの標準レンズの最短撮影距離が45cmですから、ほぼ同じレベルになります。じつは1mから95cmくらいまで(?)は切替機構により使えないのですが・・・。
 レンズの作りは見事なもので、レンズマウントもボディと一緒に削り出して作ってあったり、実に手間のかかる作りだと思います。眼鏡も微妙なレンズがついており、距離計連動のカムと合わせて、よくこんな面倒な機構を考えて製品にしたものだと感心してしまいます。
 肝心の描写も無限遠から近接まで実に見事で、階調ゆたかな滑らかな繊細な描写で気に入りました。逆光や強い光では最近のレンズの方が良いですが、ちょっとアンダー目に撮ったときに渋い写りはたまりません。シャープさも文句無いのですが、絞りの形状のためか、ボケがやや硬くなる場合も多いです。1960年代のレンズですが、特に黄色く写ったりすることは感じませんでした。見てよし、使ってよしのすばらしいレンズです。M3でどれか1本だけレンズをもって散歩する際には間違いなくこのレンズを持ち出します。

Noctilux-M50mmF1
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 M3を購入して以来、長いことあこがれていたレンズ、ノクチルックスを入手しました。ご存知のように、現行の35mm用レンズではキャノンのEF50mmF1と共に最も明るいレンズで、どちらも非常に高価なレンズです。私はEOSシステムは持っていないのですが、EF50mmF1はノクチルックスよりさらに大きなレンズで迫力満点なのですが、デザインがのっぺりしていて個人的にはちょっと・・・と言う感じです。ノクチルックスという名前のレンズは非球面レンズを使用したF1.2の初代、非球面を使用しないF1でフィルターサイズ58mm、フィルターサイズ60mm、そして現行のフード組み込みとバリエーションがあります。初代の非球面レンズを使用したレンズは当時としては画期的だったそうですが、生産効率が追いつかず、本数がそれほど作られていないので現在でも非常に高価です。非球面を使用しないで明るくなったのは不思議なところなのですが、新種ガラスを使用した結果のようです。F1のノクチルックスにはランタンガラスNe1.91が6群7枚中の2,5,6,7に使用されているそうですが、このガラスは1kgで16万円ほどのコストだそうです。比重が1.91で、普通のガラスの3倍重たく,屈折率も高いものです。このガラスのおかげで非球面を持たなくてもまずまずの性能が得られるようです。このレンズはカナダで開発され、現在もカナダで製造されているようです。
 私としてはフード組み込みの現行レンズより,フードが別になった古いタイプが欲しかったのですが、程度の良いものはかえって新品の並行輸入品より高いくらいで、程度のそれほどよくないものももともと数がそれほど出回っていないため、たまたまお金があるときには見つからず、結局新品になりました。まあ、初めて作った本の印税で記念になるもの、と思って買いましたので、新品と言うのもいいかもしれません。こういう泡銭はちまちま使っていてもいつのまにかなくなるものだと思っていますので、入金したその日のうちに一気に使い切りました。家計への借金もだいぶ返しましたが・・・。
 組み込み式のフードは残念ながらプラスチックでそれほど深いものではありません。実用と言う意味ではフードを忘れたりすることが無いので、便利かもしれませんが。もともとレンズが奥まった状態なので、フードの効果はますます疑問ですが、意外と逆光には強いと言う噂もありますし、あまり炎天下で使うレンズでもないと思いますのでいいでしょう。
 レンジファインダーではせっかくのレンズを通った光を直接ファインダーで見れないのが残念なのですが、一応フランジバックの短いALPAに当ててみてみました。もちろん無限遠は合いませんが、さすがF1、圧倒的なファインダーの明るさです。今度一眼レフに当ててマクロを撮ってみようと思っています。
 購入した時点で夜でしたので、さっそく夜のうちに試写しました。なんと言っても都会の夜景ではF1なら1/15-1/125が使えます。意外と絞り開放でもコントラストはしっかりしていて、点光源も変に歪まず、良い感じです。絞り開放での圧倒的な深度の薄さも楽しいレンズです。繊細さ・シャープさはズミクロンにかないませんし、よーく見ると何か黄色っぽい写りの気もしますが、独特のもわーっとしたボケ方や、アンダー目の時のしっとりした感じなど、はまれば面白い結果が得られそうです。

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 新品なので箱、ケースなどもちゃんとあります。あたりまえですが。新品のライカのレンズはエルマーM50mmF2.8、エルマリートM90mmF2.8に続いての3本目ですが、ケースは一度も使ったことがありません。

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 M3に装着した様子です。さすがに圧倒的な大きさです。実はファインダーの1/3近くがレンズによってけられます。重さは思っていたほどではなく、F4やRTS+ワインダーなどを考えるとたいしたことはありませんし、実はエルマリートM90mmF2.8とはそれほど重さが違うわけでもありません。ただ太いのでレンズをつかんで持ち歩くのは落としそうで怖い気がします。

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 レンズを横から見るとこのようにマウント部分から一気に太くなっているのが良くわかります。レンズ着脱ボタンは押しにくいほどです。

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 DRズミクロンと並べてみました。とても同じ50mmとは思えません。ズミクロンの方が工作が凝っていてやはり古いレンズは楽しいのですが、ノクチルックスもフード以外は結構しっかり作られています。ヘリコイドリングも絞りリングも感触はいいものです。

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 手持ちの他のレンズと並べてみました。プラナー85mmF1.4とコシナ55mmF1.2です。ノクチルックスは50mmでありながら85mmのプラナーとほぼ同じくらいのサイズです。コシナ55mmF1.2はF1.2としてはコンパクトなレンズですが、ここまで違うとは・・・。

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 横から見てもやはりプラナー85mmF1.4とほぼ同じくらいのサイズ。Mマウントの小ささが非常に目立ちます。

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 左の写真は絞りがいくつの状態だと思いますか?相当絞っているように見えますが、なんとこれでF5.6。絞り羽根は10枚ですが、F2.8あたりからF5.6の手前まではあまり綺麗な形にはなりません。ライカのレンズは全体的に絞り込んだときに円に近づくようになっている気がします。私はもともと絞らないので開いているときに綺麗な形になって欲しいところですが。

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 母にプレゼントするために同じ日に購入したEF50mmF1.8Uと並べました。購入価格で28倍の開きがあります。冷静に考えると・・・馬鹿ですねぇ。

ライカ一眼レフマウントレンズ

ズミクロン50mmF2
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 2カムの初期型ズミクロンです。カビ・埃ありで、安く購入できました。もちろん分解し、掃除することにより、ほぼ問題ない状態になりました。フードとフィルターアダプターとリアキャップが付属していました。フードは逆向きにかぶせて持ち運びにも便利なようになっていますが、その状態でかぶせるキャップが無いのが残念です。フィルターねじ径は44mmらしく、シリーズフィルターを使うらしいのですが、付属していたフィルターアダプターはおそらくガラス剥き出し?の状態のフィルターをはさむためのものではないかと思っていますが、ボルシーじゃあるまいし、そんなことは無いかな?
 早速試写してみましたが、M型用のズミクロンのシャープさはそのままに、さらにボケの柔らかさもあり、じつに気に入りました。マクロスイターのように開放絞りでふわっとするわけではなく、あくまでシャープに写ります。レンズの作りもがっしりしていてすばらしい。なぜか前ボケは自然な感じにならないのですが、それ以外は色合い・コントラスト・シャープさなどどう見てもすばらしい写りです。ライカ独特のハイライトのボケがコロコロする感じも良いです。まあ、50mmで今時F2なんていう暗いレンズはなかなかありませんが、描写は完璧でしょう。M用のズミクロン50mmの半額程度が相場ですが、普通に評価すれば断然こちらの方が総合的に良い描写だと思います。このレンズが気に入りすぎて、他のライカフレックス用レンズがあまり欲しい気が起きない感じですが、それ以前にやっぱりライカのレンズは高いのでした。


フード

ズミクロンM50mmF2用フード
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 現行のフード内臓のズミクロンの1つ前のタイプ用のフードです。ズミクロンは初代からずーっと39mm径で、どのフードでも使用できるのがすばらしいのですが、IROOAなどクラシックタイプのフードはとてもフードとは思えないほど高値なので、これを新品でGETしてみました。プラスチックですが、ファインダーのけられを減らすようにカットされていたり、作りはしっかりしています。フードを逆さにした際のキャップもちょうど新品でありましたのでいっしょにGETしました。実際にカットされた部分のおかげでファインダーを覗いてもほとんど邪魔になりません。この時代は35mm用は別のタイプがあるのですが、一応共用できるらしいです。39mm径のフードはねじ込み式のものが安く出回っていて、それももっているのですが、やはり純正の使いやすいタイプが良いです。

ズミクロンR50mmF2用フード
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 こちらは一眼レフの初代ズミクロン用のフードです。35mmF2.8とも兼用です。レンズの紹介の写真のようにもともとレンズ購入時についてきたのですが、変形していて気分がわるく、キャップも無かったので、まとめてGETしました。こちらは金属製です。キャップはプラスチックですが。一眼レフなのでけられ防止のカットなどはありませんが、しっかりした作りで、実に良いです。このレンズはサイズが特殊なので一般のフードはまずそのままでは使えませんから、ますます価値があります。

36ミリ径ズームフード

 初期のライカはフィルター径が36ミリのレンズが多く、特に望遠レンズには専用のフードはなく、このズームフードを使ったようです。メモリには5,9,13.5cmがありますが、5cmはエルマーの位置で、ヘクトール・ズマールは一番短くした状態で使うようです。また3.5cmのエルマー・ズマロン(初期)も一番短くした状態で使えるようです。
 エルマー専用のフードを買おうかとも思ったのですが、どうせならいろいろつかえたほうが良いかな、とこちらにしました。非常に手間のかかる丁寧な作りです。エルマー5cm,3.5cmではフードをつけると絞り調整が非常に難しくなるので、絞りリングを買っておきました。これは純正ではありませんが。フードを回すと絞りの変更が簡単に出来ます。


その他

ヌーキー

 エルマー50mmF3.5用の近接撮影装置です。エルマー50mmF3.5用の商品コードにNOOKYという名前が使われていたのでいまだにこのような補助レンズのついた装置のことをヌーキーと呼ぶことが多いです。距離計を補正するためのレンズ、ヘリコイド、ファインダーのパララックス補正が組み込まれた装置です。1mから45cm程度まで撮影が出来ます。

 組み上げた状態です。かなり大げさになりますが、作りは非常に凝っています。パララックス補正は枠が距離によって移動しますが、その方法などよく金属を削ってこんなことをしたものだ、と感心してしまいます(説明が難しいので、興味のある人は現物を見てくださいね)。

 レンズ側のヘリコイドは使わず、ヌーキー側のヘリコイドを使います。

 近接、といえばDRズミクロンですね。並べてみました。やはり補助ファインダーをはめるだけのDRズミクロンの方が圧倒的に便利ですし、使いやすいです。が、趣味としてはバルナックライカでこのような面倒な装置を使うのもまた楽しいものです。

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